40代・50代の身体と体重管理

「以前と食べる量は変わっていないのに、体重が増えてきた」

「体重はそれほど変わらないのに、お腹まわりが気になる」

40代・50代になると、このような変化を感じる方も少なくありません。
では、本当に「食べ過ぎ」だけが原因なのでしょうか。

まず知っておきたい3つのこと
01 体重だけでは判断しない

脂肪量・除脂肪量・ウエストなど、身体の中身は別に変化することがあります。
02 原因を1つに決めない

食事・身体活動・睡眠・体組成・閉経移行期などを一緒に確認します。
03 研究の数字=自分の目標値ではない

対象者や測定方法を確認し、数字が何を示しているのかを見ることが大切です。

CONCLUSION
40代・50代の体型変化を
「食べ過ぎ」だけで説明するのは十分ではありません。
長期的な体重変化にはエネルギーバランスが関係します。
ただし、その背景にある体組成・身体活動・睡眠・食行動なども含めて考える必要があります。


01 / MULTIPLE FACTORS

何が体型の変化に関係する?
40代・50代の体型変化
体組成

筋肉量
脂肪量
脂肪の分布
身体活動

歩数
座位時間
日常生活の動き
睡眠・疲労

睡眠時間
食欲・食行動
日中の活動
閉経移行期

ホルモン変動
体組成
脂質代謝
複数の要素が重なり、体重・体組成の変化につながる可能性

「ホルモンだから」「代謝が落ちたから」「食べ過ぎだから」と最初から決めず、
まず何が変化しているのかを分けて確認することが重要です。


02 / RESEARCH DATA

閉経移行期では、体組成はどう変化した?

参考になる研究の1つが、女性を長期的に追跡した
SWAN(Study of Women’s Health Across the Nation)です。
体組成はDXAを使って測定されています。

1,246人
解析対象
DXA
体組成測定
47.1歳
開始時平均
178人
日本人参加者

脂肪量の年間増加速度
SWAN全参加者の平均
移行期前
+0.25
移行期
+0.45
単位:kg / 年
約1.8倍 研究全体では、閉経移行期に脂肪量の平均増加速度が大きくなりました。
※ 棒の長さは0.45kg/年を100%として相対表示。個人の予測値・目標値ではありません。


数字の読み方

この研究は日本人178人を含む多民族集団の研究です。
研究全体の平均を「日本人女性なら毎年0.45kg脂肪が増える」と置き換えることはできません。
個人差や生活環境なども考慮する必要があります。


03 / BODY COMPOSITION

体重だけを見ると、身体の変化を見落とすことがある
閉経移行期前 → 閉経移行期
BODY WEIGHT
体重


増加速度は
移行期開始時に加速せず
FAT MASS
脂肪量


+0.25 → +0.45
kg / 年
LEAN MASS
除脂肪量


+0.06 → −0.06
kg / 年


POINT


「体重が変わらない=身体の中身も変わらない」ではありません。

体重だけでは脂肪量と除脂肪量を区別できません。
そのため、ウエスト・体組成・筋力なども一緒に確認することが大切です。


04 / DAILY ACTIVITY

「運動しているか」だけでなく、1日の活動量を見る

仕事や移動方法が変わると、
トレーニングを続けていても1日全体の身体活動量は変化します。

厚生労働省|成人の身体活動・運動ガイド2023
60分以上
/ 日
身体活動
約8,000歩
/ 日
歩数換算
2〜3日
/ 週
筋力トレーニング
※ 成人向けの健康づくりの目安です。「8,000歩歩けば痩せる」という意味ではありません。
個人差を踏まえて、今より少しでも多く身体を動かすことが基本です。
生活の変化 活動量への影響
デスクワークが増えた 座っている時間が増える
車移動が増えた 歩く時間が減る
階段を使わなくなった 日常生活の活動が減る


05 / SLEEP

睡眠は「代謝」より、食欲・食行動からも考える

睡眠不足になると「代謝が止まる」ということではありません。
一方、睡眠制限によって食欲や摂取量が変化する可能性は示されています。


ENERGY INTAKE


+252.8


kcal / 日


睡眠制限と通常睡眠の平均摂取量の差

41件のランダム化比較試験をまとめたメタ解析では、
睡眠制限条件で平均エネルギー摂取量が多くなりました。

「寝不足=毎日253kcal余計に食べる」という意味ではありません。

研究条件の異なる試験をまとめた平均値です。
個人の摂取量を予測する数字としては使えません。


06 / ENERGY RESTRICTION

「食べなさすぎると太る」は本当?
よくある説明
食べない

代謝が落ちる

脂肪をため込む

太る
より正確な考え方
食事制限や体重減少では、
身体サイズ・除脂肪量・活動量・空腹感・エネルギー消費
などが複合的に変化します。

「食べないと脂肪をため込んで太る」という一方向の仕組みではありません。

適応性熱産生|系統的レビュー
33研究
解析対象
2,528人
参加者
27研究
適応性熱産生を観察
ただし研究方法には大きなばらつきがあり、質の高い研究では効果が小さい、
または統計学的に明確でない結果も報告されています。

WiSP POINT


「もっと減らす」「少し増やす」を、最初から決めない。

今の摂取量・体重変化・体組成・活動量・体調を見てから考えます。


07 / LIPID PROFILE

コレステロールは「総コレステロール」だけで判断しない

脂質を見る場合は、総コレステロールだけではなく、
LDL-C・HDL-C・中性脂肪・non-HDL-Cなどを確認します。

LDL-C
140以上
mg/dL|高LDL-C
HDL-C
40未満
mg/dL|低HDL-C
中性脂肪
150 / 175以上
mg/dL|空腹時 / 随時
non-HDL-C
170以上
mg/dL|高non-HDL-C


これらは全員が目指す「理想値」ではありません。

脂質異常症のスクリーニング基準です。
実際の管理目標は、年齢・血圧・糖代謝・喫煙・既往歴などによって異なります。
健診結果で気になる値がある場合は医療機関で確認してください。


08 / ASSESSMENT

WiSPでは何を確認する?

体重が増えたという結果だけでなく、
「どこに変化があるのか」を分けて確認します。

CHECK 評価 見るポイント
01 体重・ウエスト 数週間〜数か月の推移を見る
02 体組成 筋肉量・体脂肪率などを継続して確認
03 筋力・動作 身体機能そのものがどう変化しているか
04 身体活動 歩数・座位・仕事・家事を含めて見る
05 食事 量だけでなく内容・時間・食事パターンも確認
06 睡眠・体調 睡眠時間・疲労など生活全体との関係を見る

体組成計は
「推定値」
BIA方式の体組成計は身体の電気的特性から体組成を推定します。
水分状態・食事・運動・測定時間などの影響を受けるため、
1回の数字ではなく、できるだけ同じ条件で経過を見ることが重要です。

WiSP CHECK FLOW
「何を減らすか」より、
「なぜ今この状態なのか」を整理する。
体重だけではなく、身体の状態と生活習慣を組み合わせて確認します。
MEASURE
測る
INTERPRET
整理する
PLAN
方針を決める
RECHECK
再評価する

まとめ
01 体型変化を「食べ過ぎ」だけで説明するのは十分ではありません。
02 閉経移行期では、体重だけでは分からない体組成変化がみられる場合があります。
03 体重・体組成・筋力・身体活動・食事・睡眠を組み合わせて評価することが大切です。


急な身体変化は、運動や食事だけで判断しない

急激な体重変化、強い倦怠感、動悸などがある場合には、
更年期以外の身体的要因が関係している可能性もあります。
気になる症状や健診値がある場合は医療機関へご相談ください。


PERSONAL TRAINING / WiSP

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WiSPでは体組成・筋力・動作・生活習慣などを確認し、
一人ひとりの状態に合わせてトレーニングを組み立てています。


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参考文献
  1. Greendale GA, Sternfeld B, Huang M, et al.
    Changes in body composition and weight during the menopause transition.
    JCI Insight. 2019;4(5):e124865.
  2. 厚生労働省.
    健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023.
  3. Zhu B, Shi C, Park CG, et al.
    Effects of sleep restriction on metabolism-related parameters in healthy adults.
    Sleep Medicine Reviews. 2019;45:18-30.
  4. Nunes CL, Casanova N, Francisco R, et al.
    Does adaptive thermogenesis occur after weight loss in adults?
    British Journal of Nutrition. 2022;127(3):451-469.
  5. 日本動脈硬化学会.
    動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版.

FROM KNOWLEDGE TO ACTION

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