「筋トレをしたらプロテインを飲む」
今では常識のようになっているこの習慣。
しかし、実は「飲めば飲むほど効果が出る」わけではないことをご存じでしょうか?
本記事では、プロテイン摂取の適切な量やタイミング、摂りすぎによるリスク、そして効果的な飲み方について、プロの視点からわかりやすく解説していきます。
◆ そもそもプロテインとは?
プロテインは「タンパク質」の英語名で、筋肉・骨・皮膚・ホルモンなど、体を構成する大切な栄養素です。
市販されているプロテインパウダーは、手軽にタンパク質を摂れるサプリメントの一種であり、食事で足りない分を補う“補助的な役割”を担います。
◆ 1回の摂取量は20g程度が目安
筋肉の合成に必要なタンパク質の摂取量については、近年の研究で以下のような報告があります。
一般的に、筋肉タンパク合成を最大限に高めるには「1回あたり20~25gのタンパク質摂取が最適」とされています。
(参考文献:Moore DR, et al. “Ingested protein dose response of muscle and albumin protein synthesis after resistance exercise in young men”. Am J Clin Nutr. 2009)
つまり、1回に40g・50gと大量に摂っても、余分なタンパク質は使い切れず、エネルギーとして消費されるか、体脂肪として蓄積される可能性があるということです。
◆ 飲みすぎるとどうなる?
過剰なタンパク質摂取によるリスクとしては、以下が挙げられます:
- 腸への負担(消化不良や下痢)
- 腎臓への負担(特に腎機能が弱い人)
- カロリーオーバーによる体脂肪の蓄積
- ビタミン・ミネラルなど他の栄養素の偏り
とくに運動量に見合わない量のプロテインを継続的に摂取することは、かえって身体に悪影響を与える場合もあります。
◆ 炭水化物と一緒に摂ると吸収効率UP
プロテインを単体で飲むよりも、炭水化物(糖質)と一緒に摂取する方が吸収効率が高まるといわれています。
これは、炭水化物の摂取によって分泌される「インスリン」によって、筋肉へのアミノ酸輸送が促進されるためです。
例え話で説明すると…
タンパク質は「家を建てるための材料」、
炭水化物は「材料を運んでくれるトラック」や「組み立てる作業員」のような存在。
材料があっても、それを運んで使う人がいなければ、家(筋肉)は完成しません。
だからこそ、トレーニング後には「おにぎりとプロテイン」などの組み合わせが非常に効果的です。
◆ プロテインはあくまで選択肢の一つ
よく「プロテインを飲めばすべての栄養が足りる」と誤解されることがありますが、プロテインは万能ではありません。
確かに、製品によってはビタミンやミネラルが含まれているものもありますが、野菜や果物、発酵食品などに含まれるファイトケミカル(機能性成分)や食物繊維はカバーできません。
また、プロテインには脂質がほとんど含まれておらず、ホルモンの材料や細胞膜の構成に必要な良質な脂質も、別途摂る必要があります。
◆ 状況に応じて柔軟に使い分けましょう
ウィスポに通ってくださっているお客様の中には、過度な食事制限と運動を組み合わせて体調を崩された方もいらっしゃいました。
そういった方には、「今は栄養状態が不足しているから、カロリー補助としてプロテインを飲むのもアリですよ」とお伝えしています。
大切なのは、「目的に合わせて使い分ける」こと。
- 筋肉をつけたい → 食事+プロテインでしっかり栄養を。
- ダイエット中 → 食事で足りない部分を補助的に。
- 食が細い方 → 無理せず栄養を摂る選択肢として。
プロテインは、うまく活用すればとても便利なツールです。
◆ 専門家と一緒に、正しい使い方を学ぼう
何を、どれだけ、いつ摂るか。
これは、体格・運動量・目的によって人それぞれです。
自己流でうまくいかないと感じたら、専門家と一緒にあなたに合った方法を探すことが、最短ルートになります。
◆ パーソナルジムウィスポでは…
ウィスポでは、栄養・運動・休養のバランスを一緒に考えながら、無理なく続けられるプランを提案しています。
プロテインの選び方・飲み方・タイミングなど、普段の生活や食事の中で実践しやすい形でアドバイスさせていただいております。
最後に
プロテインは「手軽な栄養補助食品」であり、「魔法の粉」ではありません。
正しく使えば強力な味方になりますが、頼りすぎは禁物です。
「何を摂るか」以上に、「どんな身体を目指したいか」が大切。
その目標に合わせて、一緒に最適な方法を見つけていきましょう。