キックボクシングは短時間の高強度運動と攻防の連続です。
ラウンド中には筋肉や心臓に酸素が不足し、疲労が蓄積します。
この状態ではパンチやキックの威力・正確性が低下するため、短時間で再び高出力を出せる瞬発回復力が重要です。
瞬発回復力のポイント
瞬発回復力を高めるには、次の三つが関係します。
1. 酸素供給能力(有酸素系)
疲労物質を分解し、ATPを再合成する能力
2. 短時間高出力(無酸素系)
パンチやキックの瞬発力を維持する能力
3. 筋肉の酸素利用効率
ミトコンドリアで酸素を効率的に使い、素早く回復
これらを組み合わせることで、試合中の疲労を抑え、連続攻撃や防御動作を維持できます。
瞬発回復を高める具体的トレーニング
1. 短時間高出力のインターバルトレーニング(HIIT)
• 20〜30秒全力シャドーボクシング/サンドバッグ
• 10〜15秒軽い動きで回復
• 5〜8セットを1ラウンドとして繰り返す
→ 心肺機能と酸素供給能力を高め、試合中の回復力を向上
2. 実戦動作型の複合ドリル
• 30秒パンチ+30秒キックを交互に
• 15秒全力スプリント+15秒縄跳び
• サンドバッグでパワーパンチ10秒+ステップワーク10秒
→ 無酸素系瞬発力と有酸素系回復力を同時に鍛える
3. 呼吸と動作の連動
• パンチやキックのタイミングで息を吐く
• 呼吸筋を強化し、酸素利用効率を向上
• 疲れても呼吸をコントロールでき、素早く回復可能
4. 心拍変動を意識した間欠練習
• 高強度ラッシュ20秒 → 軽い動作10秒 → 高強度ラッシュ20秒
• 心拍の上昇と回復を繰り返すことで、試合中の疲労回復力を向上
効果的なポイント
• 動作の質を重視:全力でもフォームを崩さず、力を効率的に伝える
• 段階的に負荷を上げる:急な高負荷は怪我の原因になるため注意
• 短い回復で再び全力:試合を想定した負荷で練習する
まとめ
キックボクシングの瞬発回復力は、酸素不足状態から素早く回復し、高出力を維持する能力です。
改善には、
1. HIITで短時間高出力+回復の反復
2. 実戦動作型ドリルで無酸素系と有酸素系を同時強化
3. 呼吸と動作の連動で酸素利用効率向上
4. 心拍変動を意識した間欠練習
これらをフォームを崩さず段階的に取り入れることで、試合中の疲労に負けず連続攻撃が可能になり、パフォーマンス向上につながります。