バレーボールでは、スパイクやブロック、サーブレシーブでジャンプを繰り返すため、試合後半にジャンプ力が落ちることがあります。
この原因は大きく分けて神経系疲労と筋持久力不足です。
ここでは、原因の理解とともに、具体的なトレーニングメニューを紹介します。
1. 神経系疲労とは?
神経系疲労は、脳や脊髄から筋肉に送られる「動かす指令」が弱くなることです。
短時間でジャンプを繰り返すと、筋肉自体は動けても、踏み切りやタイミングが遅れたり、力を最大限出せなくなることがあります。
神経系疲労に効くトレーニング
- 高強度ジャンプドリル
- ボックスジャンプ:低い台から高く跳ぶ、3セット×5~8回
- スクワットジャンプ:自重で全力ジャンプ、3セット×8~10回
- プライオメトリックジャンプ:連続で小さくジャンプ、反動を最小限にして神経を刺激
- スタートダッシュ・反応ドリル
- コーンやマーカーに向かって瞬間的に反応しながらジャンプやステップ
- 2~3人組でランダムに合図を出し、瞬間的に動く練習(10~15秒×5セット)
- ラリー形式ジャンプ
- 短いラリーで連続ジャンプを行い、神経系の反応スピードを維持
- 例:ブロック後すぐにスパイクの助走に入る動きを再現
これらのトレーニングでは、高い集中力と最大筋力の瞬間発揮を意識することがポイントです。
2. 筋持久力不足とは?
筋持久力不足は、筋肉が繰り返し収縮する力を維持できないことです。
試合後半にジャンプの高さが落ちたり、踏み切りが弱くなったりする原因になります。
筋持久力を鍛えるトレーニング
- 反復ジャンプドリル
- 連続スクワットジャンプ:軽めの負荷で20~30回×2~3セット
- ラダージャンプ:ステップラダーを使って素早くジャンプ、3セット
- 筋力×持久力の組み合わせ
- 自重スクワットやランジを、連続15~20回×3セット
- ヒップスラスト:お尻の筋持久力を意識して15~20回×3セット
- コート上での持久ジャンプ練習
- ブロック→スパイク→ブロックの流れを3~5分繰り返す
- 実戦を想定し、筋持久力を使いながらタイミングやフォームも確認
3. 神経系と筋持久力の両方を意識するポイント
- 高強度×短時間で神経系を鍛え、低~中強度×長めの反復で筋持久力を鍛える
- 練習はラリー形式や試合形式で行うと、実戦に近い負荷で両方を鍛えられる
- ウォームアップや休息も重要。神経系疲労は休むことで回復しやすいので、試合や練習中に短いリカバリーを取り入れる
4. 練習例(中高生向け)
- ウォームアップ
- ダイナミックストレッチ(脚振り、スキップ、ラダー)5分
- 神経系ジャンプドリル
- ボックスジャンプ:3セット×6回
- 反応ジャンプ:コーチの合図でジャンプ、10秒×5セット
- 筋持久力ジャンプドリル
- 連続スクワットジャンプ:20回×2セット
- ランジジャンプ:左右交互15回×2セット
- コート形式のラリー連続ジャンプ
- ブロック→スパイク→ブロック、3~5分×2セット
- クールダウン
- ストレッチ(太もも前後・お尻・ふくらはぎ)5分
まとめ
試合後半にジャンプ力が落ちる原因は、神経系疲労と筋持久力不足の両方です。
- 神経系疲労:踏み切りやタイミングが遅れる
- 筋持久力不足:ジャンプの高さそのものが低下する
どちらも練習で改善できます。
神経系は高強度・短時間のジャンプで刺激し、筋持久力は低~中強度の反復ジャンプで強化します。
中高生でも取り組めるドリルやラリー形式の練習を組み合わせることで、試合後半でも安定したジャンプ力を維持できるようになります。