キックボクシングにおける距離(レンジ)の管理は、攻撃の届く範囲と被弾を防ぐ距離を常に把握することで試合の主導権を握る技術です。
この距離感を正確に把握するために、プロは「視覚的キュー」を活用します。
本記事では、肩幅や膝の位置など、視覚的に距離を判断するコツを解説します。
レンジとは?
レンジとは、自分の攻撃が届く距離と相手の攻撃が届く距離の関係のことです。
- 接近レンジ:相手に手や足が届く距離
- 中間レンジ:拳やローキックの射程内
- 遠距離レンジ:攻撃は届かないが、相手の動きを観察できる距離
レンジの把握が正確だと、攻撃と防御のタイミングを正確に判断できます。
視覚的キューとは?
視覚的キューとは、目で見て距離を判断する目印や体の基準のことです。プロは相手の肩幅、膝位置、重心の傾きなどを観察し、レンジを瞬時に判断します。
1. 肩幅のキュー
- 相手の肩幅を目安に距離を判断
- 肩が拳や肘の射程に入った瞬間が攻撃圏内
- 肩幅が広い場合、攻撃を届かせるためには少し前進が必要
2. 膝位置のキュー
- 相手の膝の位置はローキックの射程や前進距離の目安
- 膝までの距離を視覚で把握することで、ローやミドルキックの適切な距離を維持
3. 重心・体勢のキュー
- 相手の重心が前寄りなら、パンチや膝蹴りの攻撃チャンス
- 後ろ寄りなら、攻撃を届かせるには距離を詰める必要がある
💡補足:
- 「視覚的キュー」とは、数字や測定器ではなく目で見て感覚的に距離を把握する目印のことです。練習で体に覚えさせることが重要です。
練習方法
- ミット打ちで距離を把握
- 相手(ミット持ち)の肩や膝を見ながら、攻撃が届く位置を確認
- スパーリングでの応用
- 相手の肩幅や膝の位置を目安に、接近・中間・遠距離を意識して動く
- 動画でチェック
- 距離の取り方、肩や膝との関係を確認し、自分の感覚と照らし合わせる
視覚的キューを使うメリット
- 攻撃の精度向上:拳やキックが正確に届く
- 被弾リスク低減:射程外にいることで反撃を受けにくい
- タイミングの把握が容易:相手の攻撃が届く瞬間を視覚的に判断できる
まとめ
コントロールされた距離(レンジ)を測るには、肩幅・膝位置・重心の傾きなどの視覚的キューを活用することが重要です。
- 肩幅:拳や肘の射程を把握
- 膝位置:ローキックや前進距離の目安
- 重心・体勢:攻撃チャンスや距離詰めのタイミングを判断
視覚的キューを使いこなすことで、攻撃精度と防御能力が同時に向上し、試合の主導権を握ることができます。
💡ポイント:最初はミットやスパーリングで意識して、目で見て距離を感じる感覚を体に覚えさせることが成功の近道です。