WiSP JOURNAL / MUSCLE BUILDING


週1回の筋トレでも、筋肉量の増加は期待できます。
大切なのは、通う回数だけで判断せず、
負荷・運動量・食事・休養を合わせて見直すことです。

「筋トレは続けているけれど、もう少し筋肉をつけたい」
「仕事が忙しく、ジムに通えるのは週1回」。
そんなとき、回数を増やすべきか、今のトレーニングを変えるべきか、
迷うこともあると思います。

WiSPでは、継続できていることを土台に、
現在の身体と生活に合う次の一歩を一緒に考えます。
この記事では、主に健康な成人の筋肉づくりについて、
研究で分かっていることと、当ジムでの指導の考え方を紹介します。

週1回でも筋肉は増える?

週1回だから意味がない、ということではありません。
筋肉が大きくなる「筋肥大」には、
各筋肉へどの程度のトレーニングを積み重ねたかも関係します。

25研究をまとめたメタ分析では、
週あたりのトレーニング量をそろえた場合、
頻度が高い群と低い群の筋肥大に統計学的に有意な差は認められませんでした。[1]

ただし、これは「誰でも週1回で同じ成果が出る」という保証ではありません。
また、研究でいう各筋肉のトレーニング頻度と、
ジムへ通う回数は同じとは限りません。
自宅での筋トレも合わせて考えます。

頻度を増やすか、今の内容を整えるか

WiSPでは、週1回を続ける場合は全身に必要な刺激が入るよう内容を整理します。
時間を確保できる場合は、別の日に一部を分ける方法も検討します。
一度に詰め込んで動作が崩れるようなら、量や組み方を見直します。

週1回なら、全身をどう組み合わせるか

限られた時間で全身に取り組むため、
WiSPでは「押す」「引く」「下半身を使う」といった動きを軸に考えます。
複数の関節を使う多関節運動は、その組み立てに役立ちます。

全身を組み立てる種目の例
押す動き ベンチプレスなど。胸・肩の前側・上腕三頭筋などを使います。
引く動き ローイングなど。背中や腕を使い、上半身を引く動きに取り組みます。
下半身の動き スクワット系など。太もも・お尻を中心に、姿勢を支える体幹も使います。

この3種目だけで全員のメニューが完成するわけではありません。
必要に応じて、股関節を曲げ伸ばしする動きや、
特定の部位を補う種目も加えます。
痛み、動かせる範囲、経験に合わせて、
マシンやダンベルなどへ変更することもあります。

筋肉を増やしたいなら、記録をもとに負荷を調整する

身体が今の負荷に慣れてきたら、
目標に合わせて少しずつ負荷を高めていきます。
これが「漸進性過負荷」という考え方です。
ACSM(米国スポーツ医学会)のポジションスタンドでも、
段階的に進める筋力トレーニングが推奨されています。[2]

WiSPでは、重量だけでなく、回数やセット数、
フォーム、本人が感じる余裕も確認します。
例えば、同じ重量・同じ動かし方で前より多く反復できたなら、
次の負荷を考える材料になります。

前回と比べて確認したいこと
重量・回数 同じ種目・同じ動かし方で、扱える重量や回数がどう変わったか。
セット数 必要な量に取り組めているか。増やしても動作の質や回復を保てるか。
フォーム・可動域 狙った動きを、自分でコントロールできる範囲で繰り返せるか。
余裕・疲労 終了時にあと何回できそうか。次回までの疲れや生活への影響はどうか。

種目や角度を変えることと、負荷を高めることは同じではありません。
主要な種目は変化を比較できるよう継続し、
目的に応じて補助種目を選びます。
フォームが安定したことも大切な前進ですが、
それだけで筋肉量が増えたと判断はしません。

毎回、前回を超えなくても大丈夫

疲労や睡眠の状態によっては、
負荷を維持したり軽くしたりする日もあります。
毎回の記録を見ながら、
ある程度の期間で前進しているかを確認していきます。

「追い込む」は、動けなくなるまで行うこと?

筋肥大のために、すべてのセットを完全な限界まで行う必要はありません。
ACSMの資料でも、毎回限界まで反復することは必須とされていません。[2]

一方で、毎回大きな余裕を残して終わっているなら、
目的に対して負荷が足りているかを確認します。
その目安の一つがRIR(アール・アイ・アール)です。

RIR=同じフォームなら、あと何回できそうか

例えばRIR 2なら、
「同じフォームで、あと2回くらいできそう」という意味です。
自分の感覚による見積もりなので、正確な測定値ではありません。

RIRの読み方
RIR 3 同じフォームで、あと3回程度できそう。
RIR 2 同じフォームで、あと2回程度できそう。
RIR 1 同じフォームで、あと1回程度できそう。
RIR 0 同じフォームでは、もう1回もできないと感じる状態。

ACSMは、十分な努力度を確保する方法として、
限界に近づけることやRIR 2〜3程度を挙げています。
ただし、この数字を全員・全種目の固定基準にするわけではありません。[2]

限界にどの程度近づけるかを調べた研究では、
筋肥大との関係が示唆されていますが、
最適なRIRを一律に決められる段階ではありません。[3]

WiSPでは、本人の感覚を聞きながら、
動作の安定性や体調も合わせて調整します。
筋肉のきつさと痛みを区別し、
痛みや大きなフォームの崩れがある場合は中止・変更します。

筋トレの刺激を、食事と休養で生かす

筋トレは、筋たんぱく質をつくる反応を高める刺激になります。
その積み重ねを筋肉づくりにつなげるには、
食事から材料とエネルギーを補うことも大切です。[4]

エネルギー不足の状態で筋トレを行う研究をまとめた分析では、
不足のない条件と比べて除脂肪量の増加が妨げられていました。
除脂肪量とは、脂肪以外の組織の重さで、
筋肉だけを表すものではありません。[5]

そのため、筋肉量を増やしたい場合は、
運動を増やすことだけでなく、食事量が足りているかも確認します。
ただし、全員が一律にたくさん食べればよいわけではありません。
現在の食事、体重の推移、体脂肪、活動量を合わせて考えます。

WiSPでは、回復の状態も確認します

前回の疲労が残っていないか、睡眠を取れているか、
食事が十分に取れているか。
負荷を上げる前にこうした状況も伺い、
その日に取り組む内容を調整します。

なお、EPOC(運動後過剰酸素消費)は、
運動後に酸素消費が安静時より高くなる現象です。
大きさや持続時間は運動条件で異なり、
筋肉が増えた量を示す指標ではありません。
「運動後も代謝が高いから筋肉が増える」とは説明しません。[6]

食事は、たんぱく質だけでなく全体を見る

筋肉づくりでは、たんぱく質を意識することに加えて、
主食などからのエネルギーも確保します。
食事全体の量が少ない場合は、
今の食事を確認して、足りない部分から調整します。

ISSN(国際スポーツ栄養学会)は、
健康で運動をしている人のたんぱく質摂取量として、
1日あたり体重1kgにつき1.4〜2.0gを目安に示しています。
例えば体重70kgなら98〜140gです。
これは1日の食事全体に含まれる量で、
プロテインだけで追加する量ではありません。[4]

食事制限の指示がある方などは、
この目安をそのまま当てはめず、
主治医や管理栄養士に確認してください。

食事を整えるときの確認ポイント
主食 ごはん・パン・麺など。
トレーニングや日常生活に必要なエネルギーを補います。
主菜 肉・魚・卵・大豆製品など。
毎食、たんぱく質源があるか確認します。
副菜・果物など 野菜、果物、乳製品なども組み合わせ、
食事の偏りを減らします。
必要に応じた間食 食事だけで不足する場合に活用。
おにぎり、ヨーグルトなど、
足りない内容に合わせて選びます。

WiSPでは、「食べているつもり」と実際の量に
ずれがないかも一緒に整理します。
忙しい日や食欲が出にくい時間帯も含め、
続けられる方法を考えていきます。

WiSPでは、継続できている今を土台に次の一歩を考える

ここまでの研究は一般的な考え方を支える情報です。
実際のメニューは、本人の目標と現在の状態を確認して組み立てます。

私が大切にしているのは、続けてくれている方に、
ただ「もっと頑張りましょう」と伝えるだけで終わらないことです。
何を増やすとよさそうか、何が負担になっているかを整理し、
納得できる形で次の段階へ進めたいと考えています。


  1. 01 目標を共有する

    筋肉量を増やしたいのか、扱える重量を伸ばしたいのか、
    生活の中で何を変えたいのかを伺います。


  2. 02 現在の取り組みを確認する

    種目、重量、回数、終了時の余裕、食事、休養を整理します。


  3. 03 変更する内容を決める

    頻度・負荷・量・食事などから、
    今取り組みやすい内容を選びます。


  4. 04 実践し、記録から再調整する

    できたことや負担を振り返り、
    続ける内容と変更する内容を考えます。


週1回という回数だけで可能性を決めず、
今の刺激と回復が目的に合っているかを確認する。

その積み重ねで、無理なく続けられる筋肉づくりを目指していきます。

参考文献

本文中の[番号]は出典です。
番号からの移動リンクは設けていません。
以下の文献リンクは別タブで開きます。

  1. Schoenfeld BJ, Grgic J, Krieger J.
    How many times per week should a muscle be trained to maximize muscle hypertrophy?
    J Sports Sci. 2019;37(11):1286–1295.


    論文情報を確認する
  2. Currier BS, et al.
    ACSM Position Stand: Resistance Training Prescription for Muscle Function,
    Hypertrophy, and Physical Performance in Healthy Adults:
    An Overview of Reviews.
    Med Sci Sports Exerc. 2026;58(4):851–872.


    論文情報を確認する
  3. Robinson ZP, et al.
    Exploring the Dose-Response Relationship Between Estimated Resistance Training
    Proximity to Failure, Strength Gain, and Muscle Hypertrophy:
    A Series of Meta-Regressions.
    Sports Med. 2024;54:2209–2231.


    論文情報を確認する
  4. Jäger R, et al.
    International Society of Sports Nutrition Position Stand: protein and exercise.
    J Int Soc Sports Nutr. 2017;14:20.


    論文情報を確認する
  5. Murphy C, Koehler K.
    Energy deficiency impairs resistance training gains in lean mass but not strength:
    A meta-analysis and meta-regression.
    Scand J Med Sci Sports. 2022;32(1):125–137.


    論文情報を確認する
  6. Børsheim E, Bahr R.
    Effect of exercise intensity, duration and mode on post-exercise oxygen consumption.
    Sports Med. 2003;33(14):1037–1060.


    論文情報を確認する

FROM KNOWLEDGE TO ACTION

身体を知ることから、
次の一歩へ。

記事で得た知識も、身体の状態や目的によって活かし方は変わります。 WiSPでは、今の身体や動きを確認しながら、一人ひとりに合った方法を一緒に考えていきます。

体験トレーニングを相談する → WiSPについて詳しく見る

呉市のパーソナルジム WiSP