ゴルフスイングでスムーズにクラブを振るには、下半身・体幹・上半身が連動することが重要です。
しかし、スイング中に腰や上半身が左右にブレる「スウェー」が出ることがあります。
この原因のひとつとして挙げられるのが、体幹の弱さです。
ただし「体幹が弱い」という表現は抽象的で、単に腹筋が弱いという意味ではありません。
ここでは、体幹の役割や弱さの具体的な内容、改善方法を解説します。
1. 体幹とは何か
体幹とは、肩・腰・骨盤をつなぐ胴体部分の筋肉群を指します。主要な筋肉は以下の通りです:
- 腹直筋・腹斜筋・腹横筋:前後・側面の安定性と回旋動作に関与
- 脊柱起立筋・多裂筋:背骨の安定と姿勢維持に関与
- 骨盤周囲の筋肉(腸腰筋・臀筋群):下半身と体幹の連動をサポート
体幹は単に「強い・弱い」ではなく、スイング中に姿勢を安定させ、回旋や上下動を効率的に伝達できる能力を指します。
体幹がうまく働かないと、上半身と下半身の連動が乱れ、スウェーが出やすくなります。
2. 体幹が弱いことで起こるデメリット
(1) スウェーの発生
体幹が不安定だと、スイング中に腰や上半身が左右に流れてしまいます。
この動きをスウェーと呼びます。
スウェーが出ると、クラブヘッドが正しい軌道を通らず、ミート率や方向性が低下します。
(2) パワー伝達の効率低下
下半身から上半身、腕への力の伝達がスムーズに行われず、飛距離やスイングスピードが落ちます。
(3) 怪我のリスク増加
スウェーが出ると腰や肩、肘に負担がかかり、腰痛や肩関節周囲炎などの慢性的なトラブルにつながることがあります。
3. 体幹が安定していることのメリット
- スイング中の姿勢が安定し、スウェーが減る
- 下半身から上半身へのパワー伝達がスムーズになり、飛距離が向上
- ミート率や方向性が安定し、ショットの精度が向上
- 腰や肩への負担が軽減され、怪我のリスクを低減
4. 体幹安定性を高める改善方法
(1) 基礎体幹トレーニング
- プランク(前腕・サイド):腹部や脊柱起立筋を含む体幹全体の安定性向上
- バードドッグ:四つ這いで対角線の手足を伸ばし、背骨と骨盤の連動を強化
(2) ゴルフ動作に応じた体幹強化
- メディシンボールツイスト:回旋動作を加えた腹斜筋強化で、スイングに直結
- ケーブルやチューブを使った回旋運動:負荷をかけながら体幹の回旋安定性を向上
(3) バランス・安定性向上
- 片脚立ち+体幹意識:下半身と体幹を連動させる練習
- スイング動作の低負荷反復:クラブを短く持ち、体幹意識をしながらスイングする
(4) 個人の能力に応じた調整
- 体幹の強さや柔軟性には個人差があるため、負荷や運動範囲を調整する
- 無理に強度を上げず、段階的に安定性と回旋能力を高めることが重要
5. まとめ
- 体幹とは単なる腹筋ではなく、姿勢を安定させ、力を効率よく伝える胴体の総合能力を指す
- 体幹が弱いとスイング中にスウェーが出やすく、飛距離や方向性が低下し、腰・肩・肘に負担がかかる
- 体幹の安定性を高めることで、スイング姿勢が安定し、パワー伝達効率やショット精度が向上
- プランク・バードドッグ・回旋トレーニングなどを組み合わせ、個人の柔軟性や筋力に応じた段階的トレーニングが効果的

