ラグビーは、スクラムやタックル、ラインブレイク、パスやキックといった多様な動作が連続する競技です。
試合の終盤でパフォーマンスが落ちる選手は、体力だけでなく、筋持久力や瞬発力の維持、精神的な粘り強さが十分でない場合が多く見られます。
最後まで走り切る力を養うには、日頃の練習やトレーニングで体力と意識の両方を鍛えることが不可欠です。
1. 試合後半まで動ける体を作る日頃のトレーニング
(1)有酸素+無酸素を組み合わせたインターバルトレーニング
試合中は短距離ダッシュと回復が繰り返されます。そのため、以下のようなトレーニングが有効です。
- 30秒全力スプリント+30秒ジョグを8〜10本
- 50mダッシュ+100m軽いジョグを5〜8本
これにより、短時間の高強度動作と回復を繰り返す能力を高め、試合終盤でも全力で動ける体を作ります。
(2)下肢・体幹の筋持久力強化
ラグビーはスクラムやタックルで体幹と下肢を常に使う競技です。筋持久力が低いと、後半でフォームが崩れ、ケガのリスクも高まります。
- スクワットジャンプ:自重でジャンプしながらスクワット(10〜15回×3セット)
- ランジ歩き:前後に歩きながらランジ(左右10歩×3セット)
- プランク・サイドプランク:体幹の安定性向上(30秒〜1分×3セット)
- チューブや軽いダンベルで肩・背中の補強:フォームを意識して引く動作(10〜15回×2〜3セット)
※これらはあくまで参考例で、個人の課題や体力に応じて回数や負荷を調整すると、より効果的です。
(3)タックル・スクラムの連続練習
実戦で求められるのは、体力だけでなく正確なフォームで連続してプレーする能力です。
- タックルパッドでフォームを意識した連続練習
- スクラム練習で押し切る力を維持する体力を養う
※ここでも個人の課題に応じて強度や回数を調整すると、実戦力がより高まります。
2. 精神的な粘り強さを育む意識のトレーニング
(1)疲労を味方にする意識
- 練習中から「疲れてもフォームを崩さない」ことを意識
- 高強度のドリルやインターバルトレーニングで、自分の限界ラインを知る
疲労時に正しい動作を維持する習慣が、試合終盤のプレーに直結します。
(2)目標設定と集中力維持
- 練習の最後に短距離ダッシュやミニゲームを組み込み、集中力を維持する
- 「次のプレーまでに体を整える」「パスやタックルを正確に行う」と意識してプレー
これにより、疲れても集中力を切らさず、勝負どころでの判断力や反応力が落ちにくくなります。
3. 個人差に応じた調整
選手の体格やポジション、課題に応じてトレーニング内容を調整することが重要です。
- バックス:スプリント能力・切り返しを重視
- フォワード:筋持久力・コンタクト耐性を重点的に
- 個人課題をウォームアップや練習メニューに組み込むことで、弱点を効率的に改善できます。
※トレーニング例はあくまで参考として、自分の課題や目的に合わせて組み込むことで最大限の効果が得られることを意識してください。
4. 練習への取り組み方
- 毎回の練習で「最後まで全力を出す」意識を持つ
- インターバルやコンタクト練習の中で、疲労時の動作の精度を確認
- チーム練習だけでなく、個人で体幹・下肢・肩の持久力トレーニングを継続
まとめ
ラグビーで試合最後まで走り切る力をつけるには、体力面と精神面の両方を意識した日頃の練習が不可欠です。
- 体力面:インターバルトレーニングで有酸素・無酸素能力を養う、筋持久力を高める自重・チューブ・軽量器具のトレーニング、連続タックル・スクラム練習
- 精神面:疲れてもフォームを崩さない意識、集中力を切らさない練習、個人課題の継続的改善
- 個人差に応じた調整:ポジションや課題に合わせたメニューで効率的に弱点を補強
- トレーニング例は参考であり、個々の課題を組み込むことでより高い効果を得られる
これらを実践することで、疲労がたまる試合終盤でも正確な動作と判断を維持し、最後まで全力で戦える体と心を作ることが可能です。