投手にとって球速や制球力の向上は、腕の筋力だけでは実現できません。

実は、下半身と体幹の連動が投球パフォーマンスの大部分を決めます。

地面からの反力を骨盤と体幹を通して肩・腕に伝えることで、効率的に力を生み出せるのです。

今回は、投手におすすめの回旋動作を強化する筋力トレーニングを紹介します。

下半身と体幹の連動が重要な理由

* 足で地面を蹴る力が股関節・骨盤を介して体幹に伝わる

* 骨盤回旋で角運動量が体幹に伝わり、肩関節の負担を軽減

* 体幹が安定していれば腕は「力を増幅する装置」として効率的に働く

* 研究では、骨盤回旋速度と体幹安定性が球速の約60%に影響すると報告

投手向けトレーニング例

* メディシンボール・オーバーヘッドスロー

  • 足を肩幅に開き片足を前に出す
  • 腰・骨盤を回旋させながらメディシンボールを頭上から前方に投げる
  • 10回×3セット
  • ポイント:腕だけで投げず、股関節・骨盤の回旋で角運動量を伝える

* ヒップスラスト

  • 肩をベンチに置き膝を90度に曲げて足を床に置く
  • 腰を持ち上げ肩・腰・膝を一直線にする
  • 10回×3セット
  • ポイント:蹴り足動作を再現、股関節伸展と臀部爆発力を強化

* ケーブル・ウッドチョップ

  • ケーブルを肩高さにセット
  • 足を肩幅に開き腰をひねりながら下方向に引く
  • 左右交互に10回×3セット
  • ポイント:体幹回旋と肩甲骨の同期を意識

* ランジ・ツイスト

  • 足を前後に開き前足に体重をかける
  • 両手を胸の前で組み前方に体をひねる
  • 左右交互に10回×3セット
  • ポイント:踏み込み足と体幹回旋を同調させ、力伝達効率を最大化

まとめ

投手は腕だけで投げるのではなく、下半身→骨盤→体幹→肩・腕の順で力を伝える意識が必要です。

今回紹介したトレーニングを週2〜3回、フォーム重視で行うことで、肩や肘の負担を減らしつつ球速・制球力の向上が期待できます。

正しい動作を身につけ、効率的な力伝達で試合でのパフォーマンスを高めましょう。