バスケットボールではジャンプ後の着地が多く、膝・足首・腰に大きな衝撃がかかります。

特に学生選手は筋力や体幹が未発達な場合が多く、衝撃を正しく分散できないとケガのリスクが高まります。

安全かつ効率的にジャンプ力を生かすには、正しい着地フォームと必要な筋力を身につけることが重要です。

1. 着地フォームの基本

膝・股関節・足首の連動

着地時は膝だけで衝撃を受け止めるのではなく、股関節と足首も連動させることが大切です。

  • 膝を柔らかく曲げて衝撃を吸収
  • 股関節を軽く曲げてお尻やハムストリングで力を分散
  • 足首を柔らかく使って地面からの反発を逃がす

体の中心軸を意識

  • 胸を張り背中をまっすぐに保つ
  • 上体を前に倒しすぎず、腰の位置を中心に保つ
  • 両足で均等に着地し、片足だけに負担がかからないようにする

足の向きと接地

  • 足は肩幅程度に開き、つま先と膝の向きを揃える
  • 踵から着地するのではなく、つま先~中足~踵の順で柔らかく接地

2. 衝撃吸収力を高める筋トレ

足首の安定と強化

  • カーフレイズ(立位)
    かかとを上げ下げする基本トレーニングで、踏み切りや着地時の足首の安定性を向上。
  • カーフレイズスクワット
    カーフレイズの姿勢のままスクワットを行い、膝・股関節・足首の三関節を同時に強化。
    実施方法:肩幅に足を開き、かかとを上げたままスクワット動作でしゃがむ。立ち上がる際もかかとを上げたまま動作することで、着地時の衝撃吸収力と安定性を高める。

膝周りの強化

  • スクワット:膝の曲げ伸ばしをコントロールできるようになり、衝撃を分散
  • ランジ:片足での着地時の安定性を高める
  • ハムストリング強化(ブリッジなど):膝の後ろで衝撃を受け止める力を向上

股関節・腰の安定性

  • ヒップリフト(ブリッジ):お尻と腰で衝撃を吸収
  • モンスターバンドウォーク:横方向の安定性を確保
  • 体幹トレーニング(立位+床上):SAIDの法則に基づき、立位で重心を保つトレーニングを取り入れることで、実際の着地やジャンプ動作での体幹安定性を高める

3. 練習での意識ポイント

フォームを体に覚えさせる

  • ジャンプ→着地をゆっくりから練習
  • 鏡や動画でフォームを確認
  • 慣れてきたらスピードや高さを段階的に上げる

下半身3関節の連動を意識

  • 膝だけで衝撃を受け止めない
  • 足首を柔らかく使い、膝と股関節で力を分散
  • 上体をリラックスさせ、腰や背中に負担をかけない

4. 柔軟性とケア

ストレッチ

  • 大腿前後・ふくらはぎ・股関節を伸ばす
  • 静的ストレッチを基本とし、1回につき30秒以上の持続
  • 頻度は毎日でなくてもよく、週2〜3回の実施で十分
  • 筋肉が柔軟になることで、ジャンプや着地の衝撃を吸収しやすくなり、ケガ予防に効果的

クールダウン・アイシング

  • ハードな練習後はアイシングで炎症や腫れを抑える
  • 必要に応じてアイスバス(冷水浴)も選択肢に入れる
  • 下半身全体の回復を促進し、血流改善や筋疲労軽減にも効果的

休養と生活習慣

  • 練習や試合後は適度に休養をとり、筋肉と関節の回復を促す
  • バランスの良い食事で、筋肉や関節の修復を助ける
  • 適度な睡眠を確保することで、ホルモンバランスが整い、疲労回復や集中力向上につながる

まとめ

バスケットボールではジャンプと着地がプレーの要です。膝・足首・腰にかかる衝撃を分散するには、正しい着地フォームと筋力、立位での体幹トレーニング、柔軟性・ケア習慣が不可欠です。

  • 膝・股関節・足首を連動させる
  • 上体の軸を安定させる
  • 足首(カーフレイズ+カーフレイズスクワット)、膝・股関節の筋トレと立位体幹、ストレッチやアイシング・アイスバスを習慣化

これらを意識することで、ケガのリスクを減らし、ジャンプ力や反応力も向上します。学生のうちから正しいフォームと基礎筋力・回復習慣を身につけることが、長く安全にプレーを続ける鍵です。