テニスは、ラリーやネットプレーでの瞬発力、サーブやストロークの回旋力が求められる競技です。

試合が長引くと、体の疲労が蓄積し、脚の爆発力や体幹・上半身の回旋力が低下してミスショットや反応遅れにつながります。

この現象を防ぐためには、単なる筋力強化だけでなく、筋持久力を高めるトレーニングが重要です。

筋持久力とは、疲労が蓄積しても筋肉が繰り返し収縮・回旋できる力のことです。

瞬発力と回旋力が低下するメカニズム

  1. 下半身の疲労
    • サイドステップや前後の移動を繰り返すことで、大腿・殿部の筋力が徐々に低下
    • これにより、ジャンプ力やステップ速度が落ちる
  2. 体幹・上半身の疲労
    • 回旋筋群(腹斜筋・背筋・肩周囲)が疲れると、ラケットを速く振る力が減少
    • ストロークやサーブのスピード・精度が低下
  3. 神経系の疲労
    • 筋肉自体はまだ動くが、脳→筋肉の信号伝達が遅れ、瞬発的動作にタイムラグが生じる

つまり、長時間の試合で瞬発力と回旋力を維持するには、下半身・体幹・肩周囲の筋持久力を同時に鍛える必要があります。

筋持久力トレーニングのポイント

1. 下半身の持久力

  • ラリー移動・ステップの持続力を高める
  • サイドステップ、クロスステップ、短距離ダッシュを繰り返すドリル
  • 目安:20〜30秒×8〜10セット(疲労を感じながらもフォームを維持)

2. 体幹の持久力

  • 回旋力を維持するため、腹斜筋・背筋・腹直筋・殿部の連動強化
  • プランクやサイドプランク、メディシンボールツイストなどの静的+動的ドリル
  • 目安:30〜60秒×3〜4セット

3. 肩・腕の持久力

  • サーブやストロークでの回旋動作を最後まで維持
  • ラケットを持った軽負荷のショルダープレスや回旋運動、スロースイングドリル
  • 目安:15〜20回×3セット、動作を丁寧に

神経系と連動した持久力

  • 疲労時でも正確なステップとショットを維持するには、筋持久力+神経系トレーニングが有効
  • 例:ラダーやミニハードルを使ったステップ+サーブ動作の反復
  • 動作精度を意識しながら、疲労しても体を素早く動かせる感覚を養う

学生向けの実践ポイント

  • 練習では疲労状態でもフォームを崩さず動くことを意識
  • 下半身・体幹・肩を同時に鍛えることで、試合後半でも瞬発力と回旋力を維持できる
  • 栄養(タンパク質・ミネラル)と休養をセットで管理し、筋疲労からの回復を促す
  • 長時間練習後は軽めのジョグやストレッチで血流を改善し、筋持久力の効果を最大化

練習例(週2〜3回)

  1. サイドステップ+ラケットスイング 20秒×8セット
  2. メディシンボールツイスト 15回×3セット
  3. プランク+ショルダーツイスト 30秒×3セット
  4. ラダー+ショット連動 30秒×5セット

これらを組み合わせることで、長時間の試合でも脚・体幹・肩の疲労を最小限に抑え、瞬発力と回旋力を維持できます。

まとめ

  • 長時間のテニスでは、下半身・体幹・肩の筋持久力が瞬発力・回旋力維持の鍵
  • 静的+動的な筋持久力トレーニングで疲労に強い体を作る
  • 神経系を意識したステップ+ショット練習で、試合後半でも精度を落とさない
  • 学生は、筋持久力・神経系トレーニング・休養・栄養をバランス良く組み合わせることが最も効果的