「体幹トレーニング」と聞くと、どんな運動を思い浮かべますか?
多くの方が、プランクのように“止まってキープする”エクササイズをイメージされるかもしれません。
もちろん、静止した状態でのトレーニングも大切です。体幹の安定性や筋持久力を高めるためには有効な手段です。
しかし、実際のスポーツでは、それだけでは不十分なのです。
スポーツは「動き」の中で体幹が試される
試合や競技中の動作は、走る・止まる・跳ぶ・ひねるなど、すべて“動きの中”で行われます。
そのため、「動きながら体をコントロールする力」が不可欠です。
止まっているときにいくら安定していても、実際のプレー中に体幹を使いこなせなければ意味がありません。
「身体は与えられた刺激に適応する」というSAIDの法則があり、スポーツパフォーマンス向上を目指すには、スポーツ動作に関わる動きを取り入れたトレーニングが必須です。
スポーツに活きる体幹トレーニングとは、「動きの中で体幹を安定させる」ことを目的としたトレーニングなのです。
動きながら鍛える“動的体幹トレーニング”とは?
ここで紹介するのは、動きの中で体幹部に刺激を加える「動的体幹トレーニング」です。
動的体幹トレーニングの例としては、
- 片脚立ちで上半身をひねる
- 不安定な姿勢からステップを踏む
- ジャンプ動作と体幹の安定を組み合わせる
といった動きの中で体幹を使うメニューがあります。
こうしたトレーニングでは、手足を動かしながらも軸をブレさせない感覚を養うことができます。
さらに、三半規管を刺激することでバランス感覚も同時に鍛えられるため、空間認知や姿勢制御の力もアップします。
トレーニング効果を高める“考える意識”
ただ動きをこなすだけでなく、「何のためにこの動きをしているのか?」を意識することも非常に重要です。
例えば、
- どんな場面でこの動きが活きるのか
- 今の動作でどこが不安定だったか
- 体幹がどう関わっているか
といった視点を持つことで、トレーニング効果は何倍にも高まります。
ブレない体幹がパフォーマンスを変える
体幹は、体の中心にある“軸”であり、全身の動きをつなぐハブのような存在です。
この軸がしっかりすると、動きにキレが出るだけでなく、ケガの予防や動作の効率化にもつながります。
止まったままの体幹トレーニングで基礎をつくりつつ、動きながら体幹を使う力も高める――
この2つのバランスが、競技力向上のカギを握ります。
今日から意識したい「動きの中の体幹」
体幹は“止める力”だけでなく、“コントロールする力”も必要です。
ぜひ、今日からのトレーニングで「動きながら体幹を働かせる意識」を取り入れてみてください。
動きのブレが減り、パフォーマンスの質が確実に変わってくるはずです。