スポーツの場面では、指導者からのアドバイスや指示を受けて動くことが多くなります。

これは当然のことですし、技術や知識を身につけるうえでとても重要なプロセスです。しかし、受け身の姿勢だけでは、パフォーマンスの伸びに限界がきてしまうのも事実です。

実践の後に「考える」ことが成長を加速させる

例えば、コーチから指導を受けて実践したとしても、それだけで満足してしまってはもったいないのです。

「なぜうまくいかなかったのか?」「なぜ今の動きは良かったのか?」「何が課題なのか?」といった問いを自分で考える姿勢があるかどうかが、その後の成長に大きな差を生みます。

特に、練習や試合の後に「どうだったか?」と自分の身体や動きと向き合う時間をつくることで、パフォーマンスは確実に変わっていきます。

ウォームアップは体と向き合うチャンス

ウォームアップも単なる「準備運動」として流してしまうのではなく、自分の体調や動きの調子をチェックする時間と考えてみましょう。

同じルーティンで動いていても、「今日は股関節が硬いな」「ジャンプのタイミングがいつもより遅いかも」といった小さな違いに気づけるかどうかが重要です。

この「気づき」は、ただ受け身で動いているだけでは得られません。自分で感じようとする意識があって初めて起こるものです。

このように、自分の体にしっかりと意識を向けることで、小さな不調やミスの原因を早く見つけ、修正しやすくなるのです。

自発的に考え・動くことで得られる科学的メリット

ここからは、自発的な行動が科学的にも良い影響をもたらすことを、シンプルに解説します。

1. やる気が出る

自分で考えて行動することで、脳内の「ドーパミン」という物質が分泌されます。これはモチベーションや集中力を高める働きがあり、積極的な行動につながります。

2. 覚えやすく、成長しやすい

自分で選んだ行動は、記憶の定着が良くなり、技術や動きの習得もスムーズになります。脳が「重要な情報」と判断しやすくなるためです。

3. ストレスに強くなる

「自分で決めて動いている」という感覚は、ストレスホルモンの分泌を抑え、精神的な安定にもつながります。

4. 行動が続く

自分の意思で始めたことは、習慣化しやすく継続力も高まることがわかっています。練習やセルフケアの継続にも効果的です。

受け身だけでは足りない。考える習慣を身につけよう

コーチに言われたからやる、チームメイトがやっているから自分もやる――こうした行動は悪いことではありません。ですが、そこに「自分なりの理由」や「考え」があるかどうかで、結果は大きく変わってきます。

日々の練習、アップ、ストレッチ、食事、睡眠――あらゆる行動の中に「なぜ?」を見つけて、自発的に考え、動く習慣を身につけましょう。

それが、今よりもっと高いレベルでプレーできる力につながります。