サッカーでは短距離スプリントや方向転換が試合の勝敗を左右します。
スピードを高めるために重要なのが、地面接地時間(足が地面に触れている時間)を短くすることです。
しかし、接地時間を短くするだけでは不十分で、筋力を効率的に地面に伝えるバランスが大切です。
1. 地面接地時間とは?
地面接地時間とは、片足が地面に触れている時間のことです。
スプリントでは接地時間が短いほどステップ回転が速くなり、スピードが上がります。
しかし、短すぎると筋力を十分に発揮できず、推進力が低下するリスクがあります。
- 高校生レベルのスプリントでは、接地時間は約0.10〜0.15秒程度が目安
- 年齢や筋力、技術によって個人差があるため、あくまで目安と考える
2. 筋力発揮と接地時間のバランス
(1) 接地時間が短すぎる場合
- 足が地面に触れる時間が短く、筋力を地面に十分伝えられない
- 推進力が不足し、加速や最高速度が上がりにくい
- エネルギー効率が悪くなることもある
(2) 接地時間が長すぎる場合
- 地面に力は伝えられるが、ステップ回転が遅くなる
- 短距離スプリントではタイムロスにつながる
(3) 最適バランス
- 適切な接地時間で筋力を最大限発揮することが理想
- 地面に触れている間に蹴り出しと足の回収を効率よく行う
- 下半身の筋力と体幹の安定性が重要
3. 実践で意識したいポイント
(1) 足の接地方法
- つま先~母趾球で着地し、地面を押し返すイメージ
- かかと着地は避け、前足部中心の接地で素早い蹴り出しを可能にする
(2) 筋力・体幹の活用
- スクワットやジャンプ系トレーニングで瞬発力を強化
- 体幹を安定させ、地面からの反力を効率的に推進力に変換する
(3) 接地時間短縮のテクニック
- 膝の引き上げと足の回転を素早く行う
- 体重移動を前方にスムーズに行い、ブレーキがかからないようにする
- 加速段階ではやや長めの接地で力をしっかり伝え、最高速度付近で接地時間を短くしてスピード維持
4. 練習での活用
- 短距離ダッシュ+フォーム確認:接地時間と蹴り出しを意識
- 地面反力トレーニング:ジャンプやプライオメトリクスで瞬発力強化
- ステップワーク練習:コーンを使ったステップ回転で足の回転速度を向上
5. まとめ
- スプリントでは、接地時間を短くすることと筋力を効率よく発揮することのバランスが重要
- 短すぎると推進力不足、長すぎるとスピードが出にくい
- 最適バランスは蹴り出しと足の回収を効率よく行い、地面からの反力を最大限スピードに変換すること
- 練習では筋力・体幹強化とスプリントテクニックの両方を意識することで、加速力とスプリント効率が向上する

