「もっと上手くなりたい」「レギュラーを取りたい」「大会で勝ちたい」
スポーツに取り組む学生なら、誰しも強くなりたいという気持ちを持っているはずです。
やる気が高いときほど、つい全力で自分を追い込みたくなりますが、実はその「追い込み一辺倒」なやり方が、パフォーマンス向上を妨げる原因になることがあります。
ケガのリスクを高める“無理な追い込み”
練習や筋トレで「限界までやること」が悪いわけではありません。
しかし、それがフォームを崩したままだったり、体の準備ができていない段階で過度な負荷をかけたりすると、ケガのリスクが一気に高まります。
例えば筋トレでも、まだ筋肉が負荷を支えられる状態でないのに重たいウェイトを扱うと、関節や腱に過剰なストレスがかかり、痛みや故障につながるケースも。
どんなに強い意志があっても、ケガをしてしまえば練習ができず、本末転倒です。
体は“すぐには変わらない”という前提
「もっと上を目指したい!」という気持ちは大切ですが、体はトレーニングにすぐには適応できません。筋力や動きの質が本当に変わるには、2〜3ヶ月ほど定期的な刺激を与え続けることが必要です。
この「時間のかかるプロセス」を理解せずに、短期間で成果を出そうと焦ると、無理をしてフォームが崩れたり、体の回復が追いつかず疲労がたまりパフォーマンスが下がることもあります。
大事なのは、段階的に負荷を上げていくこと。調子がいいときほど、慎重に。モチベーションが高いときこそ「整える」意識が必要です。
身体機能の土台を高めることが最優先
スポーツでパフォーマンスを発揮するには、筋力や持久力だけでなく、身体の機能が重要な役割を果たします。
たとえば、体幹の安定性や関節の柔軟性、バランス感覚などがしっかりしていないと、スピードやパワーを正しく発揮できません。
特に、身体の連動性や三半規管(バランスを取る機能)を鍛えることは、動きのキレやブレのない動作につながります。
このような「動きの質」を高めることで、疲れにくく、ケガもしにくい、安定したパフォーマンスを出せる体を作ることができます。
疲労と炎症を抑えることもパフォーマンス向上の鍵
さらに、慢性的な疲労や体の炎症状態を抑えることも、スポーツを頑張るうえでは大切です。
睡眠不足や栄養不足、回復の時間が足りないまま練習を続けると、体は常に「修復モード」になり、筋力や動作の習得にエネルギーを使えなくなってしまいます。
だからこそ、「やる気」だけで突っ走らず、整える・回復させる・機能を高めるという考えをトレーニングに取り入れることが、長期的な成長につながります。
まとめ:やる気は「継続と計画」で活かせ
本気でパフォーマンスを高めたいなら、「追い込むこと」だけに目を向けるのではなく、土台を整える・時間をかけて積み上げる・無理のない範囲で継続するという考え方が必要です。
やる気があるのは素晴らしいこと。でも、その気持ちを長く保ち、実力に変えていくには「賢いやり方」が大切です。
焦らず、正しいフォームで、段階的に体を強くしていきましょう。
それが、将来のケガを防ぎ、本番で最高のパフォーマンスを発揮するための近道です。