はじめに
「なんとなく喉が渇いたから」「部活のあとはやっぱりスポドリ」——そんな日常の習慣が、実は体に悪影響を与えているかもしれません。今回は、学生にも起こりうる「ペットボトル症候群」について紹介します。
飲み物の選び方を見直すきっかけになるかもしれません。
ペットボトル症候群って何?
ペットボトル症候群とは、糖分を多く含む飲料を日常的に大量に摂取することで、体に不調をきたす健康障害のことです。
医学的には「清涼飲料水ケトアシドーシス」とも呼ばれ、糖分の過剰摂取により血糖値が急上昇。
インスリンの分泌が追いつかず、体内でエネルギー代謝が崩れ、ケトアシドーシスという危険な状態に陥ることがあります。
これは糖尿病の前段階や初期症状として現れることもあり、若い世代でも油断できません。
こんな症状があれば要注意!
以下のような症状がある場合は、ペットボトル症候群のサインかもしれません。
- 異常に汗をかく
- なんとなく体がだるい
- イライラしやすい
- 頭が重い・痛い
- 急に体重が増えた
特に、血糖値に異常があるとこれらの症状が現れやすくなります。飲み物の種類や量を見直すことが大切です。
飲み物に含まれる糖分は意外と多い
スポーツドリンクや清涼飲料水には、想像以上に多くの糖分が含まれています。たとえば500mlのスポーツドリンク1本で、20〜50g以上の糖分を含むこともあります。
これは角砂糖に換算すると5〜12個分にもなります。
エネルギーとしては150〜250キロカロリー程度でも、毎日何本も飲めば積もり積もって糖分過多に。
64kcalと記載された飲み物でも、糖分10g以上含まれていることがあるので油断できません。
NGなスポドリの飲み方とは?
せっかく健康のために飲んでいるつもりが、逆効果になることも。以下のような飲み方は注意が必要です。
- 喉が渇くたびにスポーツドリンクを飲む
- 通学中や勉強中にも常に飲んでいる
- 甘い炭酸飲料をよく選んでしまう
こうした習慣が、知らないうちにペットボトル症候群のリスクを高めてしまいます。
正しい飲み方を知ろう
スポーツドリンク自体が悪いわけではありません。使い方を間違えなければ、むしろ運動後の水分補給や熱中症対策として効果的です。
重要なのは、「必要なタイミングで必要な量を飲む」こと。運動後や汗を多くかいたときなど、体が本当に求めている場面で使いましょう。
スポドリ選びの3つのポイント
製品を選ぶときは、次の3つのポイントを意識してみてください。
- 糖分が100mlあたり6g以下の商品を選ぶ
- 無糖または微糖タイプを優先する
- 炭酸飲料は避ける(糖分が非常に多いため)
また、パッケージ裏の「成分表示」を確認する習慣をつけることが、日常的な健康管理につながります。
体重別・糖質消費量(1時間あたりの目安)
• ラグビー
50kg:約100g/60kg:約120g/70kg:約140g
• テニス(シングル)
50kg:約80g/60kg:約96g/70kg:約112g
• バスケットボール
50kg:約85g/60kg:約102g/70kg:約119g
• サッカー
50kg:約83g/60kg:約100g/70kg:約116g
• 水泳(中〜高強度)
50kg:約70g/60kg:約84g/70kg:約98g
• 陸上短距離
50kg:約65g/60kg:約78g/70kg:約91g
• バレーボール
50kg:約50g/60kg:約60g/70kg:約70g
• 野球(練習)
50kg:約52g/60kg:約62g/70kg:約72g
• エアロビクス
50kg:約60g/60kg:約72g/70kg:約84g
おわりに
「スポーツドリンク=体に良い」というイメージは一部正しいものの、使い方を間違えると健康を害するリスクもあります。糖分のとりすぎは、集中力の低下、体重増加、さらには糖尿病のリスクにもつながります。
ペットボトル症候群を防ぐためにも、まずは自分の飲み方を振り返ってみましょう。
「自分の体は自分で守る」——その意識が、これからのスポーツ人生と健康を支える第一歩になります。