スポーツを本気で頑張っている人ほど、「もっと練習したい」「休んでる時間がもったいない」と感じることがあるかもしれません。
しかし、やりすぎてしまうことで体調やパフォーマンスが落ちてしまうことがあるのをご存知でしょうか? それが「オーバートレーニング症候群」と呼ばれる状態です。
これは、体が休む時間を与えられず、疲労がどんどんたまっていくことで起こる身体の不調です。意欲はあるのに結果がついてこない…そんな時は、頑張りすぎのサインかもしれません。
主な症状と変化に気づこう
― こんな状態になっていたら注意!
オーバートレーニング症候群になると、以下のような症状があらわれることがあります。
- 練習しているのにタイムやパフォーマンスが下がる
- いつもより疲れが取れにくい、だるさが抜けない
- 食欲がなくなる、眠れない、朝起きられない
- 気分が落ち込む、集中できない、イライラしやすい
- 風邪をひきやすくなる
これらは「ただの疲れ」ではなく、体が本格的に悲鳴を上げているサインです。根性では乗り越えられない状態に入っている可能性があるため、早めの対応が必要です。
「鍛える」と「回復」はセットで考えよう
― 成長のカギは、練習の後にある
筋肉や体力は、練習中ではなく、練習後の「回復」の時間に作られるというのがスポーツ科学の考え方です。
例えば、筋トレで筋肉を一度壊したあとに、しっかりと栄養を摂って、休んで回復することで、前より強くなるという仕組みがあります。どんなに質の高い練習をしても、食事と休養が不十分なら、むしろ筋肉は減ってしまうことさえあります。
「休むこと=サボること」ではなく、「成長の一部」と捉え直すことが大切です。
自分に合ったトレーニング量を見つけよう
― 周りと比べず、自分のペースで進むこと
オーバートレーニング症候群を防ぐためには、自分の体の状態や生活リズムに合ったトレーニング計画が必要です。
- 睡眠はしっかり取れているか?
- 食事は3食バランスよく摂れているか?
- 練習の強度や量に波があるか?(オンとオフの切り替え)
- 最近、気分や体調に変化はないか?
このような視点を持つことで、トレーニングの質も、身体づくりの成果も大きく変わってきます。
視野を広く持って、賢く鍛えよう
― 休むことも努力のうち
一流のアスリートたちは、練習・食事・休養をすべて「トレーニングの一部」として考えています。ただ練習をたくさんこなすだけでなく、自分の体の反応をよく観察し、時には休むことも選択しています。
視野を広く持ち、「今の自分にとって本当に必要なことは何か?」を考えることが、長く強くスポーツを楽しむためにとても重要なのです。
最後に
― 頑張り屋さんほど気をつけて
頑張ることはとても素晴らしいこと。でも、本当に強くなるためには「頑張り方」が大切です。自分の体と心の声に耳を傾け、正しい知識と習慣で、ケガや不調に負けない身体を作っていきましょう。