スポーツで高いパフォーマンスを発揮するには、筋肉の柔軟性を保つことが重要です。多くのアスリートが取り入れているストレッチですが、「30秒以上かけて伸ばす」理由には科学的な根拠があります。
今回はそのメカニズムと継続の必要性を解説します。
筋肉にはゴムのような「粘弾性」がある
筋肉や腱はゴムのように伸び縮みしますが、すぐには最大限に伸びません。
短時間(10〜15秒)では筋肉の反発力が強く、すぐ元の状態に戻ろうとします。
30秒以上かけてゆっくり伸ばすことで、筋肉の抵抗が減り、柔軟性が増すのです。
筋肉の防御反応「伸張反射」を抑えるために時間が必要
急に筋肉を伸ばすと、「伸張反射」という筋肉の収縮反応が起き、逆に硬くなります。
この反応が収まるには約10〜20秒かかるため、30秒以上伸ばすことで筋肉がリラックスできるのです。
これにより、動きの質が向上し、怪我のリスクも減ります。
副交感神経が優位になり、心身のリラックスにつながる
長めのストレッチは呼吸を深くし、副交感神経を活性化。
これにより心拍数が下がり、緊張やストレスが和らぎます。
試合前の緊張緩和や疲労回復にも効果的です。
30秒〜60秒が最も効果的な保持時間
研究でも30〜60秒間のストレッチが柔軟性の向上に効果的とされており、短すぎても長すぎても良くありません。
適切な時間で安全に行うことがパフォーマンスアップにつながります。
継続的なストレッチでベストコンディションを維持
筋肉の柔軟性は一度のストレッチで劇的に変わるものではありません。
日々の練習後や休養日に30秒以上のストレッチを継続することで、筋肉や神経の柔軟性が保たれ、疲労回復も促進されます。
これにより、怪我の予防と安定したパフォーマンス維持が可能になります。
まとめ:ストレッチは「30秒以上」続けることで筋肉と神経をゆるめ、最高のパフォーマンスをサポートする
・筋肉の粘弾性を和らげる
・伸張反射を抑え柔軟性を高める
・副交感神経を刺激し心身をリラックス状態に
毎日の継続がアスリートの成長と勝利につながります。正しいストレッチ習慣を身につけて、しなやかで強い身体を目指しましょう。