硬式テニスは、ボールの重さやラケットの反発力により、肘や前腕に大きな負荷がかかります。
特に外側上顆に痛みが出る「テニス肘(外側上顆炎)」は、腕を伸ばしたりラケットを振る動作で痛みが出やすく、放置するとプレーに支障が出ます。
今回は、練習方法・前腕トレーニング・セルフケアを総合的に解説し、学生テニスを頑張る方にも役立つ内容にまとめました。
1. 練習で意識したいポイント
テニス肘は、ラケットでボールを打つ瞬間にかかるストレスが蓄積することで発症リスクが高まります。練習では以下の点を意識してください。
- ラケットを軽く握る
肘や前腕に力を入れすぎると腱に負担が集中します。スイング中は手の力は必要最小限に抑え、肩・体幹・下半身の連動でスイングを作ることが大切です。 - ウォームアップは段階的に
最初から強い打球を繰り返すと肘や前腕に過剰な負荷がかかります。軽めのボールでフォーム確認→徐々に強度を上げる流れで体を準備することをおすすめします。 - 練習量のコントロール
過剰な打球は前腕に負担を蓄積し、テニス肘のリスクを高めます。休憩を挟みながら打つ、連続で強打する時間を短くするなど、肘への負担を軽減する工夫が必要です。
2. 前腕を守るセルフケア
テニス肘予防には、前腕の負担を軽減することが重要です。セルフケアとして、ストレッチとマッサージを取り入れましょう。
前腕ストレッチ(負担軽減のポイント)
- 手のひらを下に向けて腕を前に伸ばす
- 反対の手で指先を軽く手前に引き、前腕外側を伸ばす
- 15〜30秒キープ、テニス終了後や自宅でのエクササイズとして実施
ポイント:
- 肘を軽く曲げると腱への負担を分散でき、安全にストレッチできる
- 強く引きすぎず、軽い張りを感じる程度で行う
前腕マッサージ
- テニスボールやフォームローラーで前腕外側を軽く押す
- 1日1回、練習後に行うことで前腕の負担を軽減できる
3. 前腕・肘周囲を守るトレーニング
硬式テニスでは、前腕筋群が腱をサポートする役割を果たします。ここで紹介するトレーニングはあくまで目安で、個人の筋力や能力に応じて重量や回数を調整してください。
リストカール(手首の屈筋強化)
- ダンベル(軽め)を手のひら上向きで持ち、前腕をベンチに置く
- 手首だけで上下させる(10〜15回×2〜3セット)
- 肘は固定し、手首の動きに集中
リバースリストカール(伸筋強化)
- ダンベルを手の甲上向きで前腕をベンチに置き、手首をゆっくり持ち上げ下げ
- 前腕伸筋を強化し、テニス肘への負担を軽減
4. 練習に取り入れるコツ
- ウォームアップとして軽めのボールで打つ→強度を段階的に上げる
- 前腕ストレッチやリストカールはテニス終了後や自宅での習慣に
- 練習中もラケット握力を最小限に保つ
- 強打や連続打球の前後には、必ずストレッチやマッサージで負担をリセット
5. まとめ:継続と調整で肘を守ろう
テニス肘は、ラケット打球による瞬間的負荷と練習量の積み重ねで起こります。
- 日々のストレッチとセルフマッサージ
- 前腕の筋力トレーニング(重量や回数は個人で調整)
- ウォームアップと練習量の段階的調整
これらを組み合わせることで、肘への負担を最小限に抑えながら、長く安定してプレーできます。
学生テニスプレーヤーは、怪我の予防がパフォーマンス向上につながるため、毎日の小さな積み重ねが、強く安定したプレーと健康なテニス人生を支える力になるのです。