スイング後半でクラブを振り切れず、フォローが小さくなるゴルファーは少なくありません。

これは単なる筋力不足ではなく、体幹・下半身・肩甲帯の連動不足による力の伝達効率の低下が原因です。

今回は、プロの視点から原因と改善法を解説します。

フォローが小さくなる原因

  1. 体幹の回旋・伸展不足
    インパクト後に上体がスムーズに回転・伸展できないと、クラブが振り切れません。
  2. 下半身の安定性・押し込み力不足
    下半身が安定していないと、地面反力をクラブに効率的に伝えられず、フォローが小さくなります。
  3. 肩甲帯・腕の動きの制限
    肩関節や胸郭の可動域が不足していると、腕が自然に伸びず振り切れません。

改善のためのスイングポイント

  • 体幹の回旋と伸展を意識
    インパクト後は、肩と胸を開きながら背骨を伸ばす感覚でスイングを完了させる。
  • 下半身で地面反力を使う
    左足(右打ちの場合)でしっかり踏み込み、股関節の回旋を利用してクラブを振り切る。
  • 腕は自然に伸ばす
    肩甲帯の可動域を活かし、力まずクラブがフォローまで自然に走るようにする。

専門的トレーニング(振り切り力向上)

1. 体幹の回旋・伸展強化

  • メディシンボール・オーバーヘッドスロー
    ボールを頭上から投げる動作で、背骨の伸展と回旋を連動させ、振り切る動作を強化。
  • ケーブルマシン・ハイチョッパー
    インパクト後の上体伸展を意識しながらクラブを振り抜く動作を再現。
  • バックエクステンション+ツイスト
    上体を後ろに反らしつつ回旋することで、スイング終盤の回旋力を強化。

2. 下半身の安定性・地面反力活用

  • 片脚スクワット+メディシンボール回旋
    左脚で体重を支えつつ、体幹を回旋して振り切る感覚を習得。
  • ヒップヒンジ+ケーブル・ローテーション
    股関節ヒンジで下半身から上半身への力伝達を最適化。
  • バランスボード+スローフルスイング
    不安定な足場でスイングすることで、地面反力を効率的に使う能力を向上。

3. 肩甲帯・胸郭可動域

  • 肩甲骨リトラクション+スローアームスイング
    背中の筋肉を活かして腕を自然に伸ばす練習。
  • 胸郭回旋ストレッチ
    インパクト後の上体開きを妨げる制限を改善。
  • ラットプルダウンで広背筋強化
    腕を振り抜く際の後ろ側の筋肉を活性化し、フォローを大きくする。

練習方法の具体例

  • スロー振り切りスイング
    ハーフスイングで肩・胸・腰の回旋と腕の伸びを意識。トップからフォローまで動画でチェック。
  • 体幹回旋+クラブなしで振り切り動作
    上体の回旋と腕の自然な伸びを体に覚え込ませる。
  • 下半身安定+フルスイング
    左足でしっかり踏み込み、クラブを最後まで振り切る感覚を確認。

まとめ

フォローが小さく振り切れない原因は、体幹の回旋・伸展不足、下半身安定性不足、肩甲帯・胸郭の可動域制限です。

改善には、以下のトレーニングが有効です:

  • 体幹回旋・伸展:メディシンボールオーバーヘッドスロー、バックエクステンション+ツイスト
  • 下半身安定・地面反力:片脚スクワット+回旋、ヒップヒンジ+ケーブルローテーション
  • 肩甲帯・胸郭可動域:肩甲骨リトラクション、胸郭ストレッチ、ラットプルダウン

週2〜3回の専門的トレーニングと、スロー振り切りスイングの組み合わせで、フォローを大きく安定させ、ショット精度と飛距離を向上させることが可能です。