バスケットボールは、高いジャンプ力や俊敏な動き、精密なシュート力ばかりが注目されがちですが、実は最も重要なのは「総合的な体力」です。
短いダッシュを繰り返し、急な切り返しで相手を振り切り、瞬時に攻守が切り替わるバスケットボールでは、全身の持久力と瞬発力をバランスよく備えていなければなりません。
今回は、バスケットボールに必要な体力とトレーニング法について、プロの視点からわかりやすく解説します。
特に学生選手が今すぐ実践できる内容も紹介していますので、トレーニングの参考に役立ててください。
バスケットボールに必要なのは「止まらない体」
バスケの試合を観ていると、選手たちがほとんど休まず動き続けていることに気づきます。
ダッシュ、ジャンプ、切り返し、バックペダル、スライド――さまざまな動きが短時間に連続して行われるのが特徴です。
そのためバスケットボールは、「持久力」「瞬発力」「敏捷性」「判断力」、これらの総合的な身体能力を高いレベルで持つことが求められるスポーツです。
ダッシュ系トレーニングの重要性
バスケットボールでは「瞬間的なスピード」がとても重要です。
例えば、ディフェンスからスティールして速攻に移るときや、スクリーンを使って素早く空きスペースに入るときなど、決定的な局面ではダッシュ力が得点につながります。
そこで、実践されるトレーニング例がこちらです:
- 10m・20m・30mなど短距離の反復ダッシュ
- 「シャトルラン」のような方向転換を含む走り込み
- ジグザグ走やクロスオーバーを混ぜたアジリティドリル
これらは単なる俊敏性の強化だけでなく、試合に近い「疲労の中で正確に判断・動作する力」をも鍛えられます。
持久力を支えるスタミナづくり
バスケの試合では、合計40分とはいえその間に心拍数が上がりっぱなしです。
スタミナが不足していると、試合の後半で足が止まり、チームのリズムが崩れてしまいます。
そこで鍛えたいのが、「インターバル持久力」。これは、全力の負荷→休みの繰り返しによって、試合のリズムに近い疲労耐性を養うトレーニングです。
例として:
- 20秒ダッシュ→20秒ジョグ→20秒ダッシュの繰り返し
- 4分走→1分休むを繰り返すFartlek(ファルトレク)走
- 「シャトルラン」や「ビープテスト」などの変化走
これらはハードですが、スタミナ強化には欠かせません。
プロ選手のトレーニングメニューとは?
プロバスケットボール選手が行っているトレーニングは、非常に専用性が高く、データや科学的根拠に基づいて組み立てられています。
例として:
- HIIT(高強度インターバルトレーニング)で持久力と瞬発力を同時に強化
- ジャンプ動作を含めたプライオメトリクス
- 試合中の身体操作に役立つファンクショナルトレーニング
- コート上の動きを想定したドリル形式のフィジカルトレーニング
また、疲労回復や怪我予防のためのストレッチやリカバリートレーニングもルーティンに含まれています。
まとめ:賢く鍛えて、強く長く動ける選手へ
バスケットボールは「走り続けるスポーツ」です。そのため、筋力だけでなく、動き続けても崩れない全身の耐久力が必要になります。
ジャンプだけ、ダッシュだけでは勝負できません。常に動き続け、瞬時に判断し体を連動させるための「全体的なトレーニング」が勝利の鍵です。
試合の終盤でまだ走れるか?
そこに差が出るのが、勝ちにこだわるトレーニングの本質です。
ぜひ、今回の内容を参考に、自分のトレーニングに変化と意図を加えてみてください。目指すべきは、「疲れにくく、強く、速く動ける選手」です。


