学生バスケットボールでは、「強くなるためにはきつい練習が必要だ」という考え方が根強く残っています。

確かに、一定の負荷は成長に欠かせません。

しかし、成長期という特別な時期においては、強度のかけ方を誤ることで、将来的な怪我や競技寿命にまで影響を及ぼす可能性があります。

成長期の体は、大人の体とはまったく別物です。

この前提を理解せずに強度だけを上げてしまうことが、リスクを高める最大の要因となります。

成長期の体に起きている特徴的な変化

成長期には、骨の成長が筋肉や腱よりも先行します。

その結果、体は一時的にアンバランスな状態になります。

骨は伸びているのに、筋肉や腱はそれについていけない。

柔軟性が低下し、動きがぎこちなくなる。

フォームが崩れやすくなる。

この状態で強度の高い練習やジャンプ、急停止、接触プレーを繰り返すと、体には大きな負担がかかります。

強度が高すぎることで起こりやすい具体的な影響

まず多いのが、オーバーユースによる痛みです。

膝。

かかと。

すね。

腰。

これらは成長期に特に負担が集中しやすい部位です。

初期段階では「少し痛いけどプレーできる」状態が続きます。

しかし、無理を重ねることで慢性化し、長期離脱につながることも少なくありません。

また、疲労が抜けきらない状態が続くことで、集中力が低下します。

判断ミスが増え。

着地や切り返しが雑になり。

結果として、捻挫や肉離れといった外傷のリスクも高まります。

「我慢できる痛み」を放置する危険性

成長期の選手は、「痛いけど休みたくない」「レギュラーを外されるのが怖い」と考えがちです。

その結果、痛みを我慢してプレーを続けてしまいます。

しかし、成長期の痛みは、体からの重要なサインです。

無視して続けることで、成長軟骨へのダメージや、左右差のある動きが固定化される可能性があります。

これは、将来のパフォーマンス低下や再発を繰り返す体につながります。

成長期に大切なのは「抑えること」ではなく「調整すること」

成長期だからといって、何もしない方が良いわけではありません。

大切なのは、強度をゼロにすることではなく、適切に調整することです。

練習量と強度を一時的に落とす。

ジャンプや接触の回数を管理する。

フォームや動きの質を丁寧に確認する。

こうした調整によって、体への負担を抑えながら成長を促すことができます。

怪我を防ぐために取り組むべき具体的なポイント

まず重要なのは、日常的なセルフチェックです。

練習後に痛みが残っていないか。

朝起きたときに違和感がないか。

次に、柔軟性と可動域の確保です。

特に股関節、足首、太もも周りは、成長期ほど丁寧にケアする必要があります。

そして、体を支えるための基礎的な筋力づくりです。

重い負荷ではなく、自分の体を正しくコントロールできる力を養うことが重要です。

まとめ|成長期の体を守ることが未来のパフォーマンスにつながる

成長期に強度が高すぎる練習を続けることは、短期的な成果と引き換えに、大きなリスクを抱える可能性があります。

今できることと、今やるべきでないことを見極める視点が必要です。

体を守ることは、甘えではありません。

将来もバスケットボールを続けるための準備です。

成長期にこそ、体の声に耳を傾けながら、長期的な視点で取り組むことが大切だと考えています。