テニスをしていると、「どうしても手打ちになってしまう…」と悩む選手は多いものです。
手打ちでボールを打つと、一見強く打てているように思えても、実際には力が十分に伝わらず、肘や肩に余計な負担をかけることになります。
その結果、テニス肘(外側上顆炎)などの障害リスクも高まるのです。
では、なぜ手打ちになると力が伝わらないのか?その理由と改善のポイントを、学生テニス選手向けに解説していきます。
手打ちがもたらすリスク
手打ちとは、腕の力だけでボールを打つフォームのことを指します。
この打ち方では、腕や肘に負荷が集中しやすく、ボールを強く打とうとするほど肘の外側にストレスがかかるのです。
特に、ラケットを振る速度やスイングの角度によっては、肘や手首の関節に過剰な負担がかかり、慢性的な痛みや故障につながります。
学生の段階で手打ちの癖がついてしまうと、将来的な成長やパフォーマンスにも影響を及ぼす可能性があります。
力を伝える鍵は「股関節」
では、手打ちを改善し、効率よく力を伝えるためにはどうすればよいのでしょうか?答えはシンプルで、股関節の動きを上手く使うことです。
股関節は、テニスにおける「全身の動きの起点」とも言える部位です。正しい股関節の使い方を身につけることで、腕やラケットだけでなく、体幹・下半身までが連動したスムーズなスイングが可能になります。
結果として、肘にかかる負担が減り、テニス肘などのケアリスクも下がるのです。
さらに、股関節を上手く使えると、球際で粘れる動きも身につきます。
体全体でボールを受け止めたり、体重移動をスムーズに行えるため、短い時間で切り返しや打ち返しが可能になり、試合での対応力が格段に向上します。
回旋系エクササイズでさらに効果アップ
股関節の使い方の中でも、特に注目したいのが回旋(回す動き)です。
テニスでは、ボールを打つ瞬間に体重が片方の足にかかりながら切り返す場面が多くあります。
こうした動きに対応するためには、股関節の回旋能力が非常に重要です。
具体的には、次のような効果があります。
- 体幹から腕までの動きを連動させ、スイングに力を伝える
- 片足での切り返しや方向転換がスムーズになる
- 肘や肩にかかる負担を分散し、ケガのリスクを低減
このため、学生テニス選手は日々の練習やトレーニングに、股関節回旋を意識したエクササイズを取り入れることが推奨されます。
例えば、体幹と股関節を連動させたスイング練習や、片足スクワット+回旋動作などは、自宅でも取り組みやすく、効果的です。
まとめ
学生テニスにおいて、手打ちを防ぎ、効率よく力を伝えるためには、腕だけでなく股関節を中心とした全身の連動が欠かせません。
手打ちを改善することで、肘の負担を軽減し、テニス肘などの障害リスクを下げることができます。
また、股関節の回旋を取り入れたエクササイズを習慣化することで、切り返しや球際の対応力が向上し、プレーの幅も広がります。
テニスは腕だけで打つスポーツではなく、全身でボールを打つスポーツです。
日々の練習の中で股関節の動きを意識し、回旋を取り入れたトレーニングを行うことが、怪我の予防とパフォーマンス向上の両方に繋がります。

