テニスのダブルスでは、ネットプレーやベースラインでのラリーなど、瞬間的に判断と身体操作を同時に行う能力が求められます。
相手の打球方向やスピード、味方の位置、ボールの落下地点、戦術の状況など、プレー中に同時に複数の情報を処理する必要があります。
この能力は「同時判断力」と呼ばれ、技術やフィジカルと同じくらい試合の勝敗に直結します。
今回は学生テニスのダブルスにおける同時判断力の理屈と、実践的な鍛え方について解説します。
ダブルスで同時判断が必要な理由
ダブルスでは、ボールが速く、コートも広いため、瞬時に判断する能力が特に重要です。
相手ペアの位置、味方のポジション、ボールのスピンや弾道を瞬時に見極めて、次の動作を選択する必要があります。
この情報処理は脳の前頭前野、運動野、視覚野などが連携するマルチタスク認知によって行われます。
判断が遅れたり誤った場合、ボレーのミスやポジション取りの遅れにつながり、失点の原因になります。
さらに、テニスでは判断と身体操作を同時に行う必要があります。
たとえば、ネット前でボレーを打つ際には、相手のショットの方向を確認しつつ、自分のラケットと体の位置を瞬時に調整し、次の動作に備えます。
判断と運動の同時処理能力が高い選手は、複雑な状況でもスムーズにプレーを選択できます。
ポジションによる同時判断力の特徴
ネットプレーヤー
ネットプレーヤーは、相手のアプローチショットやロブ、パートナーの位置を瞬時に判断し、ボレーやスマッシュで最適な位置取りを行います。
判断が遅れるとポジションを崩され、失点につながります。
特にネットプレーでは、反射的な動作と同時に判断する能力が重要です。
ベースラインプレーヤー
ベースラインプレーヤーは、相手のスピードショットや角度の変化、味方のポジションを見極めながら、ストロークやドロップショットの選択を行います。
長いラリーの中で体力と情報処理能力を同時に使うため、集中力と認知速度が求められます。
両者の連携
ダブルスでは、ペア間の連携も判断力の一部です。
自分の位置や役割だけでなく、パートナーの動きに応じてポジションやショットを調整する能力も必要です。
ペアの動きを予測し、次のプレーに合わせて判断することが、チーム全体の安定性につながります。
同時判断力を高めるトレーニング
ゲーム形式の練習
実戦に近いダブルスのポイント練習や条件付きラリーを行うことで、複数の情報を同時に処理する能力を鍛えられます。
ネットとベースライン両方のポジションでの連携や判断を反復することが重要です。
認知トレーニング
映像を見て相手の打球やパートナーの動きを予測するトレーニング、タブレットやVRを使った状況判断練習は、情報処理速度と正確性を高めます。
これにより複雑なラリー中でも迅速に判断できるようになります。
パターン認識の強化
試合経験を積むことで、相手のショットパターンやコート上の状況を脳が記憶し、次の行動を予測できます。
予測判断を意識して練習することで、複雑な状況でも適切な選択が可能になります。
身体操作と判断の同時訓練
ボールを追いながらラケット操作やフットワークを行う練習は、判断と身体操作を同時に行う能力を高めます。
特にネットプレーでの素早い反応や、ベースラインでのフットワーク移動とストロークを連動させる訓練が有効です。
フィードバックの活用
練習や試合後に、自分やペアの判断が正しかったか、遅れた原因は何かを振り返ることが重要です。
脳は経験を学習し、次回の判断精度を向上させます。
客観的なフィードバックを取り入れることが、効率的な向上につながります。
まとめ
学生テニスのダブルスでは、ネットプレー、ベースライン、ペア連携それぞれで同時判断力が求められます。
情報処理能力、神経系の運動連動、予測判断を組み合わせることで、複雑な状況でも正確で迅速なプレーが可能になります。
同時判断力を高めるには、ゲーム形式練習、認知トレーニング、パターン認識の強化、身体操作との同時訓練、フィードバック活用が有効です。
これらを継続することで、ラリーの安定性やペア連携の精度を向上させ、チーム全体のパフォーマンス向上につながります。

