テニスは瞬発力だけでなく、持久力も試合で勝つために欠かせない要素です。
特に学生テニスでは、試合時間が長くなると後半にスタミナが切れてミスが増える選手が多くいます。
「序盤は元気でも、終盤で体が動かない」といった悩みは、持久力不足が原因であることがほとんどです。
ここでは、持久力不足が試合に与える影響と、効率的な改善方法を解説します。
1. 持久力不足が試合に与える影響
(1) 後半のパフォーマンス低下
持久力が不足すると、試合の後半で脚の動きや反応速度が低下します。結果として、フットワークが遅れ、ボールに追いつけなくなることがあります。
(2) 精度の低下
疲労が蓄積すると、サーブやストロークのコントロールが乱れます。力は出ても正確性が落ち、アウトやネットミスが増加します。
(3) 怪我のリスク増加
疲労した状態で無理にプレーを続けると、筋肉や関節に負担がかかり、怪我のリスクが高まります。特に膝や足首、腰などに影響が出やすくなります。
(4) 精神的な疲労
持久力不足は体だけでなく、精神的な集中力低下にもつながります。疲労で判断力が鈍り、戦術ミスが増えることもあります。
2. 持久力向上のためのトレーニング方法
持久力は短期間で劇的に上がるものではありませんが、効率的なトレーニングで着実に改善可能です。ポイントは「心肺機能の向上」と「筋持久力の強化」です。
(1) 有酸素運動で心肺機能を強化
ジョギングやサーキットトレーニング、縄跳びなどの有酸素運動を取り入れることで、酸素を効率的に体全体に運ぶ力が向上します。これにより、ラリーが長引いても疲労の蓄積を遅らせることが可能です。
(2) インターバルトレーニング
テニスは瞬発的なダッシュと休息を繰り返すスポーツです。インターバルトレーニング(短距離ダッシュ+軽いジョグの繰り返し)を取り入れることで、試合中の繰り返し動作に耐える力が養われます。
(3) 筋持久力トレーニング
スクワットやランジ、プランクなどの筋持久力を高めるトレーニングは、長時間プレーで脚や体幹の疲労を遅らせます。低負荷・高回数で行うことで、スタミナを効率的に向上させることができます。
(4) ラリー形式の練習
実戦形式のラリーを長く続ける練習も有効です。短時間の全力ラリーだけでなく、60秒~90秒程度の中強度ラリーを継続することで、テニス特有の持久力を身につけられます。
3. 実践に活かせるトレーニング例
週ごとの持久力トレーニング例
- 月・水・金:ジョギング 20〜30分+ストレッチ
- 火・木:インターバルトレーニング 5×50mダッシュ+軽いジョグ
- 土:ラリー中心の練習 60〜90秒×10セット
日々の工夫
- ウォームアップとして縄跳びや動的ストレッチで心拍を上げる
- 練習後に軽いクールダウンで回復を促す
- 食事・睡眠を整え、疲労回復を効率化
4. 持久力向上のポイント
- 徐々に負荷や距離を増やし、体に過度な負担をかけない
- 有酸素運動だけでなく、テニス特有のインターバル運動を取り入れる
- 筋持久力と心肺機能の両方をバランスよく鍛える
- 練習中に心拍数や疲労感を意識し、効率的にスタミナを向上させる
これらを意識すると、試合後半でも脚が動きやすく、ボールへの反応が維持されます。
持久力は短期で劇的に変わるものではありませんが、計画的に積み重ねることで、後半にスタミナが切れないプレーを実現できます。
まとめ
学生テニスにおける持久力不足は、後半でのパフォーマンス低下や怪我のリスク増加につながります。
心肺機能向上の有酸素運動、インターバルトレーニング、筋持久力トレーニング、ラリー形式の練習を組み合わせることで、効率的に持久力を伸ばせます。
計画的に取り組むことで、試合の後半でも安定したパフォーマンスを発揮し、勝利につなげることが可能です。


