マラソンに取り組んでいる方なら、「少しでも効率よく走りたい」と考える方は多いでしょう。

そのためには、ただ距離を踏むだけではなく、走りの質を意識することが非常に重要です。

今回は、走りの効率に直結する「接地時間」と、それを改善するための考え方・エクササイズについて解説します。

接地時間の目安と効率的な走り

接地時間とは、片足が地面に触れている時間を指します。

パーソナルトレーニングを受けているランナーの場合、接地時間が230〜240msとやや長めの方もいます。

効率的に走るためには、接地時間を200ms前後に短縮することが目標です。

接地時間が短いほど、地面からの反力を効率よく推進力に変えられ、ランニングエコノミーが向上します。

目安として200〜210msが効率の良い範囲で、トップランナーでは200msを切ることもあります。

ちょっとした接地時間の違いでも積み重なると影響が大きい

接地時間がほんの少し長くなるだけでも、1km、10km、フルマラソンと距離が伸びるにつれてその差は蓄積され、走りの効率や疲労の蓄積に影響します。

わずかな差でも無視せず、効率よく地面を使える走りを意識することが、長距離ランナーにとって大きな効果につながります。

ランニングエコノミーを高めるためには走るだけでは不十分

ランニング効率を上げるためには、ただ距離を踏むだけでは十分ではありません。

走りの質を高めるためのエクササイズが必要です。

ここで重要なのは、単に筋肉を大きくしたり追い込んで鍛えるだけでなく、筋肉や関節の機能を高め、正しい力の伝達や連動を作るトレーニングです。

具体的には以下のようなトレーニングが有効です。

・ふくらはぎや足首の弾性を活かしたプライオメトリクス

・体幹と下肢の連動を高めるドリル

・脚の接地効率を意識したフォームドリル

これらを取り入れることで、接地時間を短くしつつ、余分な力を使わずに効率よく走ることができます。

接地時間を短くするためのポイント

接地時間を短くするには、以下のポイントを意識すると良いです。

  1. ふくらはぎや足首の弾性を活かす
  2. 体幹と下肢の連動を高める
  3. フォームを確認し、不要な力を抜く
  4. 段階的に負荷を上げ、無理なく短縮する

ただし、無理に接地時間を短くしようとすると、疲労や怪我のリスクが高まります。フォームと体の反応を確認しながら、段階的に改善することが重要です。

まとめ

・接地時間は200ms前後を目安に、短くするほどランニング効率は高まる

・ちょっとした接地時間の長さも、距離が長くなるほど影響が蓄積される

・走るだけでなく、筋肉を機能的に使えるようにするエクササイズも必要

マラソンでタイムを伸ばすには、走りの量だけでなく接地時間や走りの質に目を向けることが大切です。

日々の練習にドリルや補助エクササイズを組み込み、効率の良い接地と安定したフォームを意識することで、疲れにくく速く走れる身体を作っていきましょう。