ラグビーにおいて体格は重要な要素のひとつです。

特に高校生までの成長期では、どのくらいの体格を目標にすべきか迷う選手や保護者様も多いのではないでしょうか。

この記事では、最新の高校ラグビー大会に出場した尾道高校(2024-2025)のデータを参考にしながら、高校生が目指す体格の目安や注意点を整理します。

高校ラグビーで求められる体格

高校ラグビーでは、ポジションによって求められる体格が異なります。

  • フォワード(FW)はスクラムやラインアウトといったコンタクトプレーが中心となるため、体重やパワーが大きな武器になります。
  • バックス(BK)はスピードや展開力が重要なため、必ずしも大きな体格だけが強みではなく、俊敏性やバランスの取れた体づくりが求められます。

つまり「大きければいい」というものではなく、自分のポジションに応じて必要な要素を理解することが大切です。

尾道高校のポジション別平均体格(2024-2025)

全国高校ラグビー大会に出場した尾道高校の登録選手(約30名)をフォワードとバックスに大別すると、以下の平均値が読み取れます。

  • フォワード系(PR〜LO):平均身長 約174cm、平均体重 約92kg
  • バックス系(SH〜FB):平均身長 約172cm、平均体重 約77kg

この数字からも分かるように、フォワードは身長・体重ともにバックスよりも大きく、特に体重差は15kg前後となっています。

これはコンタクトプレーでの安定感や突破力を支える要素と言えるでしょう。

一方で、バックスはフォワードほど重さはなくても、身長は大きな差がなく、スピードや判断力を活かす役割を担っていることがわかります。

体重増加だけにこだわらないこと

高校生の中には「もっと体を大きくしないと試合に出られないのでは」と不安を抱く選手も少なくありません。

しかし、無理に体重を増やすことにはリスクもあります。

  • 体重が増えすぎると、スピードや運動量が落ちる
  • バランスを欠くと「体に錘を背負っている」ような状態になり、試合で本来の力を発揮できなくなる

大切なのは、自分のポジションで何を強みにすべきかを理解することです。

フォワードなら体重・パワーが中心になりますが、バックスならスピードやステップワーク、判断力が勝負を分けます。

効果的なトレーニングとは?

高校生のトレーニングは「スクワット」「腕立て伏せ」「懸垂」といった基礎的な自重トレーニングから始めることが多いですが、それだけでは十分ではありません。

選手によって課題は異なります。例えば、

  • コンタクトに弱い選手 → 下半身や体幹の強化
  • スピード不足の選手 → 瞬発系トレーニングやフォーム改善
  • 判断力に課題がある選手 → 三半規管を刺激する動きや情報処理力を高める練習

このように、自分の課題を把握してバランスよく鍛えることが、成長期の選手にとって最も重要です。

栄養と運動のバランス

体格を作るうえで欠かせないのが栄養です。

食事量を増やして体重を上げることは効果的ですが、それによって動けなくなるのは本末転倒です。

  • 練習後のリカバリーを意識したタンパク質摂取
  • エネルギー源となる炭水化物をバランスよく摂る
  • 体調を整えるビタミン・ミネラルも忘れない

こうした食事を続けながら、「体重を増やす」ことと「運動能力を落とさない」ことを両立させるのが理想です。

まとめ

尾道高校のデータからも見えるように、

  • フォワードは 174cm・92kg前後
  • バックスは 172cm・77kg前後

といった平均値が、高校トップレベルの一つの目安となります。

しかし、この数字にとらわれすぎず、自分のポジションに合った強みを伸ばすことが大切です。

体重を増やすのは手段であり、目的は「試合で活躍できる体をつくること」。その視点を忘れずに、練習と食事を工夫して取り組んでいきましょう。