野球において、バットスイングの速度は打球速度や飛距離に直結します。
バットスイングは腕だけで行うものではなく、股関節・腰・肩の連動がスムーズであることが重要です。
連動が乱れると、スイング速度が落ちるだけでなく、肩や腰のケガにつながることもあります。
1. 股関節の役割
股関節はスイングのパワーの出発点です。
足で地面を押し、股関節を回すことで体幹に回転力を伝えます。
股関節の可動域や瞬発力が不足していると、上半身で力を補おうとして腕や肩に負担がかかることがあります。
股関節を鍛えるトレーニング
- ヒップスラスト:お尻を上げることで股関節の伸展力を強化
- サイドランジ・ステップアウト:横方向の動きで股関節の安定性を強化
- メディシンボール回旋投げ:股関節の回転力を瞬発力に変換
2. 腰(体幹)の役割
腰は股関節の力を上半身に伝えるハブの役割を持っています。
スイングの際、腰を速く回すことで肩や腕に伝わる力が増し、バットスピードが上がります。
腰(体幹)を鍛えるトレーニング
- ロシアンツイスト(腹斜筋の回旋力を強化)
- プランク+回旋:体幹を安定させながら捻る力を強化
- メディシンボール・サイドスロー:腰の回転力と瞬発力を同時に鍛える
3. 肩の役割
肩は最終的にバットに力を伝える部位です。
肩の可動域が狭かったり、回旋筋(ローテーターカフ)が弱いと、腕の振り出しが遅くなりバットスイング速度が落ちることがあります。
肩を鍛えるトレーニング
- ダンベルショルダープレス:肩の押し出す力を強化
- チューブ外旋・内旋運動:肩関節を安定させ、衝撃に耐える
- バットスイング動作のシャドースイング:肩・体幹・股関節の連動を意識
4. 股関節・腰・肩の連動を高めるポイント
- 動作を一つの流れとして意識する
股関節→腰→肩→腕→バットの順で力を伝える - 可動域を確保する
股関節・腰・肩が硬いと、力が途中で止まりやすくなる - 動的ストレッチでウォームアップ
スイング前に股関節・腰・肩の回旋動作を入れると、連動がスムーズになる - 連動の練習は軽負荷から
シャドースイングや軽めのメディシンボールで動きを確認
5. 実戦を想定した練習例
- シャドースイング:バットだけでスイング、股関節→腰→肩→腕の順を意識、10回×3セット
- メディシンボールスイング:軽いボールで回転動作を強化、左右10回×2セット
- 回転ドリル:腰を固定して肩だけ回す→肩を固定して腰だけ回す→全体を連動、各5回
- スイング後の姿勢キープ:バランスを意識して着地、力の伝達と体幹安定を確認
まとめ
バットスイング速度を上げるには、腕だけで振るのではなく、股関節・腰・肩の連動が不可欠です。
- 股関節:地面を押す力と回転力
- 腰(体幹):回転力を上半身に伝える
- 肩:バットに最終的に力を伝える
中高生でもできるヒップスラストやランジ、プランクやシャドースイングなどの練習を組み合わせることで、連動力と瞬発力を高めることができます。
これにより、バットスイング速度が向上し、打球速度や飛距離のアップにつながります。