試合の前半は問題なくプレーできているのに、後半になると急に足が止まり、ディフェンスの戻りが遅れる。

ジャンプの高さが落ち、判断も遅れてしまう。

学生バスケットボールの現場では、こうした悩みを非常によく耳にします。

多くの場合、「スタミナ不足」と一言で片づけられがちですが、実際には原因は一つではありません。

トレーニングの量や質、日常の体の使い方、そして食事や回復まで含めた総合的な体づくりの問題であることがほとんどです。

ここでは、後半に動けなくなる主な原因を、専門的な視点から整理していきます。

原因① トレーニング量は多いが質が伴っていない

学生バスケットボールでは、走り込みや長時間練習が多くなりがちです。

しかし、量をこなしているだけで、試合に必要な体力が身についていないケースは少なくありません。

バスケットボールは、ダラダラ走り続ける競技ではありません。

止まる。
走る。
跳ぶ。
当たる。

これらを高強度で何度も繰り返すスポーツです。

そのため、一定のペースで長時間走るだけでは、後半に必要なエネルギー供給能力や筋持久力は十分に鍛えられません。

結果として、前半は勢いで動けても、後半になると急激にパフォーマンスが落ちてしまいます。

原因② 筋力不足により疲れやすい体になっている

筋力が不足していると、同じプレーをするにも多くのエネルギーを消費します。

これは、燃費の悪い体でプレーしている状態とも言えます。

特に下半身や体幹の筋力が弱いと、ディフェンス姿勢を保つ。

接触に耐える。

ジャンプの着地で体を支える。

こうした場面で無駄な力を使い続けることになります。

その結果、後半になる前にエネルギーを使い果たし、動けなくなってしまいます。

原因③ 試合強度に耐えられる筋持久力が不足している

筋力があることと、長時間使い続けられることは別です。

ウェイトトレーニングを行っていても、回数やセット、休憩の取り方が試合と結びついていないと、後半で失速します。

試合では、疲労した状態でも正しい姿勢や動きを維持する力が求められます。

この能力が不足していると、後半になるほどフォームが崩れ、余計に疲れる悪循環に陥ります。

原因④ 食事量とバランスが練習量に見合っていない

後半に動けない原因として、食事の問題は非常に大きな割合を占めます。

細かな栄養素以前に、そもそも摂取量が足りていないケースが多く見られます。

練習量が多いにもかかわらず、朝食を軽く済ませている。

昼食が少ない。

練習後にあまり食べられていない。

このような状態では、エネルギー切れを起こすのは当然です。

また、主食、主菜、副菜がそろわない食事が続くと、体は回復しにくくなります。

疲労を翌日に持ち越すことで、試合後半に顕著な失速として表れます。

原因⑤ 回復が追いついていない生活習慣

睡眠不足やスマートフォンの使用時間の長さも、見逃せない要因です。

体は休んでいる間に回復します。

どれだけ良いトレーニングを行っても、回復が不十分であれば疲労は蓄積する一方です。

特に成長期の学生は、大人以上に回復の質がパフォーマンスに直結します。

まとめ|後半に動けるかどうかは日常で決まる

後半に動けない原因は、気合や根性の問題ではありません。

日々のトレーニングの質。

体を支える筋力。

練習量に見合った食事。

そして十分な回復。

これらが噛み合って初めて、試合の最後まで動ける体が完成します。

後半に強い選手は、特別なことをしているのではありません。

当たり前のことを、正しく積み重ねているだけなのです。

体づくりを見直すことは、パフォーマンスを伸ばす最も確実な近道と言えるでしょう。