ラグビーは、走る・当たる・押す・投げるといった多くの動作が同時に求められる競技です。
その中で「全力でやっているのにうまくいかない」「試合になるとミスが増える」と感じたことがある選手も多いのではないでしょうか。
その原因の多くは、プレーの質ではなく、自分の動きを正確に把握できていないことにあります。
そこで大きな力を発揮するのが、自分のプレー動画をチェックする習慣です。
感覚と実際の動きは大きくズレやすい
ラグビーはスピードや接触が激しく、プレー中は一瞬の判断と反応が求められます。
そのため、自分の動きを冷静に感じ取る余裕はほとんどありません。
「低い姿勢でタックルに入ったつもり」
「しっかり前に出ている感覚」
こうした感覚と、実際の姿勢や動きは一致していないことが多くあります。
動画を見ることで、
・タックル時の姿勢の高さ
・コンタクト前後の足の運び
・無駄な力みや遅れ
といった点を、事実として確認できます。
ラグビーは“連続動作”の競技
ラグビーの大きな特徴は、プレーが止まらず連続して起こる点です。
1つの動作だけでなく、
走る → 当たる → 立ち上がる → 次のプレーに参加する
という流れの中で、体の使い方が問われます。
動画を使えば、
・タックル後に立ち上がるまでの速さ
・次のプレーへの準備姿勢
・オフボール時の動き
など、プレーとプレーの「つなぎ」を確認できます。
これは、言葉だけでは理解しづらいポイントです。
ポジション別に見る動画の活用ポイント
フォワード
スクラムやブレイクダウンでの姿勢、当たりの角度、足の位置を確認することで、
力がどこに逃げているかが見えてきます。
バックス
走る姿勢や加速時のフォーム、パス前後の体の向きは、動画で見ることで修正しやすくなります。
どのポジションでも共通して大切なのは、「プレー中の準備姿勢」です。
動画はその差をはっきり映し出します。
動画があると改善点の優先順位がつく
ラグビーは課題が多くなりがちな競技です。
しかし、すべてを一度に直そうとすると、かえって動きが固くなります。
動画を見ながら、
・ミスにつながった動き
・チームプレーを止めてしまった場面
を整理すると、「今直すべきこと」が明確になります。
改善点を1つに絞ることで、練習の質が大きく変わります。
プレー動画を見るときに大切な視点
うまくいかなかった場面だけでなく、良いプレーも必ず確認することが重要です。
良いタックル、良いサポート、良い走り方は、今後の基準になります。
また、他人と比べるのではなく、
「昨日の自分」「前の試合の自分」と比べることで、成長を実感しやすくなります。
まとめ
学生ラグビーにおいて、自分のプレーを動画で振り返ることは、感覚と実際の動きのズレを知り、プレーの質を高めるための大きな武器です。
激しい競技だからこそ、冷静に自分を見る時間を持つことが、ケガの予防や安定した成長にもつながります。
全力でプレーし、動画で振り返り、次につなげる。
この積み重ねが、確実にあなたを強くします。
