テニスにおいて、サーブやストロークは試合の勝敗を左右する重要なショットです。
特に学生テニスでは、まだ身体が成長段階であるため、筋力やパワーが不十分だとショットの威力や安定性に大きく影響します。
「ボールのスピードが出ない」「長いラリーで力が落ちる」と悩む選手も少なくありません。
ここでは、筋力・パワー不足がショットに与える影響と、改善のための具体的なトレーニング方法を解説します。
1. 筋力・パワー不足がショットに与える影響
(1) サーブの威力低下
サーブは全身の連動動作によってボールにスピードを伝える技術です。
肩や腕だけで力を入れても、下半身や体幹からの力が十分でないと、最大パワーがボールに伝わりません。
その結果、サーブスピードが遅く、試合での攻撃力が低下します。
(2) ストロークの安定性・スピード不足
フォアハンドやバックハンドのストロークも、腕だけで打つと力が逃げやすく、長いラリーでは疲労が早く訪れます。
筋力不足により、ボールに回転や威力を加えられず、試合中にミスが増えることがあります。
(3) 怪我のリスク増加
筋力が不足している状態で強いショットを打つと、肩や肘、腰などに負担が集中し、怪我のリスクが高まります。
特に成長期の学生は骨や関節が未成熟であるため、無理な力で打つことは注意が必要です。
2. 改善のためのトレーニング方法
筋力・パワー不足は、適切なトレーニングで改善可能です。ポイントは「全身の連動」「体幹の安定」「腕・肩の筋力強化」です。
(1) 下半身の筋力強化
テニスは下半身から力を伝えるスポーツです。スクワット、ランジ、ジャンプトレーニングなどを取り入れると、地面反力を活かしてショットの威力が向上します。特にジャンプ動作はサーブやスマッシュのパワーアップに直結します。
(2) 体幹トレーニング
プランクやサイドプランク、バランスボールを使ったトレーニングで体幹を鍛えると、上半身と下半身の力を効率的に伝えられます。
安定した体幹は、疲労してもフォームが崩れにくく、長時間のラリーでも力を維持できます。
(3) 上半身の筋力強化
肩・背中・腕・胸の筋力は、サーブやスマッシュの威力に直結します。
ダンベルやチューブを使った筋トレ、腕立て伏せ、ラットプルダウンなどで肩甲骨まわりを鍛えると、スイングパワーが増します。
(4) パワー系トレーニング
メディシンボールを使った投げ動作や、ラケットスイングの速度を意識した抵抗トレーニングを取り入れると、爆発的なパワーをショットに反映できます。
特にサーブやスマッシュで瞬発力が必要な場面に効果的です。
3. 実践に活かせる取り組み方
(1) 週ごとに部位を分けたメニュー
• 月・水:下半身・体幹強化
• 火・木:上半身・パワートレーニング
• 金:軽めのフォーム確認や柔軟性向上
こうすることで、全身をバランスよく鍛えられ、疲労を分散できます。
(2) ショット練習と組み合わせる
筋トレだけでなく、サーブやストローク練習とセットで行うことで、筋力向上の効果を実際のショットに反映できます。
例えば、ジャンプスクワット後にスマッシュ練習を行うと、下半身の力を使ったスイング感覚が身につきやすくなります。
(3) 可動域と柔軟性を意識
肩や股関節の柔軟性が不足すると、筋力があってもパワーがボールに伝わりません。ストレッチや動的ウォームアップを取り入れ、可動域を確保することが重要です。
4. 効果を最大化するポイント
• 下半身・体幹・上半身をバランスよく鍛える
• フォームを崩さず、力の連動を意識する
• パワー系トレーニングとショット練習をセットで行う
• 柔軟性を保ち、怪我のリスクを抑える
筋力・パワーを高めることは、単にボールを強く打つだけでなく、試合中の安定性や疲労耐性向上にもつながります。
成長期の学生でも、正しい方法で継続すれば短期間でも実感できる成果があります。
まとめ
学生テニスにおける筋力・パワー不足は、サーブやストロークの威力不足、ラリー耐久力低下、怪我のリスク増加につながります。
下半身・体幹・上半身をバランスよく鍛え、パワー系トレーニングや柔軟性向上を組み合わせることで、効率的にショットの力を向上させることが可能です。
正しいフォームと連動動作を意識しながら継続することで、試合で通用するパワーと安定性を手に入れられます。

