テニスは、短距離のダッシュ、方向転換、ジャンプ、ラケットを使ったスイングなどの動作が連続するスポーツです。
試合終盤で動きが鈍くなる原因には、体力不足だけでなく、瞬発力や筋持久力、集中力の低下も関わります。
最後まで正確にプレーするには、日頃の練習で体力と精神面の両方を鍛えることが大切です。
1. 試合後半まで動ける体を作る日頃のトレーニング
(1)インターバルトレーニング
短時間の全力運動と軽めの運動を交互に行うことで、瞬発力と回復力を同時に養います。
- 10〜20m全力ダッシュ+軽いジョグを3〜5本
- サイドステップ+バックペダル+前方スプリントを10秒ずつ×3セット
(2)下肢・体幹の筋持久力強化
- スクワットジャンプ:10〜15回×3セット
- ランジ歩き+体幹ツイスト:左右10歩×3セット
- プランク・サイドプランク:30秒〜1分×3セット
- チューブや軽量ダンベルで肩・背中の補強:10〜15回×2〜3セット
※個人の体力や能力によっては、これらの専門トレーニングを始める前に、基礎体力向上(軽めのランニングや全身持久力トレーニング)を行うとより効果的です。
(3)ボールスキルと持久力を組み合わせた練習
- フットワーク+ボールコントロール:疲労時でも正確にボールを打つ能力を養成
- ラリー練習+コート全域ダッシュ:試合中の切り返し動作や持久力向上
- サービス+リターンダッシュ:サービスやリターン後の迅速なポジショニングに慣れる
個人の課題に合わせて距離や回数を調整すると、より実戦に近い力を養えます。
2. 精神的な粘り強さを育む意識
(1)疲労を味方にする意識
- 練習中から「疲れてもフォームやスイングを崩さない」ことを意識
- 高強度のラリーやフットワーク練習で、自分の限界ラインを確認
(2)集中力と判断力の維持
- 練習の最後にミニゲームやサービス・リターン練習を組み込み、集中力を維持
- 「次のショットまでに体を整える」「打つ方向やタイミングを正確に考える」と意識してプレー
3. 個人差に応じた調整
選手の能力や課題に応じてトレーニング内容を調整します。
- 初心者:まず基礎体力・フットワーク・フォームを安定させる練習を中心に
- 中級者:持久力+瞬発力を組み合わせたインターバルトレーニングを追加
- 上級者:疲労時でも正確なショット・判断を維持する集中力トレーニングを重点的に
個人の課題を反映することで、体力と技術を効率的に向上させられます。
4. 練習への取り組み方
- 毎回の練習で「最後まで全力でプレーする」意識を持つ
- インターバルやラリー練習で、疲労時のフォームや判断精度を確認
- 個人で下肢・体幹・肩の持久力トレーニングを継続
まとめ
試合最後まで動き切る力をつけるには、体力面と精神面の両方を意識した練習が不可欠です。
- 体力面:インターバルトレーニング、自重・チューブ・軽量器具による下肢・体幹・肩の持久力強化、フットワーク+ボールスキルの複合練習
- 精神面:疲労時でもフォームを崩さない意識、集中力と判断力の維持
- 個人差への対応:能力や課題に応じた調整、必要に応じて専門トレーニング前に基礎体力向上を行う
個人の課題や体力に応じて練習メニューを組み込むことで、最後まで正確に動き、全力でプレーできる体と心を作ることができます。