成長期の選手にとって、体重や筋肉量の変化はスピードや動きに大きく影響します。

「体重が増えると速く走れないのでは?」と心配する選手も多いですが、増える内容によって影響は異なります。

ここでは、体重や筋肉量の増減がスプリントや走力にどう関わるか、具体的なトレーニングやチェック方法も含めて解説します。

1. 体重1kg増加と筋肉1kg増加の違い

  • 脂肪1kg増加
    筋力が増えないため、加速や短距離スプリントでわずかにスピードが落ちます。
    10〜20mのスプリントでは、0.5〜1%程度の低下が目安です。
  • 筋肉1kg増加
    下肢や体幹の筋肉が強化されると、より効率的に地面を蹴る力が出せます。
    筋肉量の増加=パワー増加につながるため、スプリント能力は向上します。
    ただし、筋肉の増え方によっては体の重心や柔軟性に影響するため、バランスを意識したトレーニングが重要です。

2. 体重管理と食事の考え方

基本的に体重を減らす意識は不要です。

成長期にはしっかり栄養をとることが第一ですが、食事量を単に増やすだけでは脂肪が増えることもあります。

その場合、走りの軽さやフォームの感覚、タイム測定などを並行して確認しましょう。

  • 走りが重く感じる
  • キレが落ちたと感じる
  • タイム測定で短距離速度が低下

これらの変化が出た場合は、栄養バランスや運動量の調整を検討します。

目的は体重増加ではなく、動きやすさ・速さ・フォームの質を維持しながら成長させることです。

3. 筋力・パワー強化の方法

小・中学生の場合は自重を中心に鍛えましょう。

ダンベルなどの道具を使う場合もありますが、まずはフォームの安定や運動能力テストを実施したうえで無理のないメニュー選択をすることが大切です。

  • スクワット(自重)
  • ランジ(前後・横方向)
  • ジャンプ系ドリル(両足・片足ジャンプ、ステップジャンプ)
  • プッシュアップやブリッジで体幹・上半身強化

ポイントは、正しいフォーム、反復、スピード意識です。

高負荷よりも、体への負担を避けつつパワーや瞬発力を育てることが重要です。

4. 足裏感覚と動作安定性のトレーニング

足裏にはメカノレセプターがあり、地面からの情報を脳に伝え、バランスや安定性を助けます。

  • 不安定な面(芝生や砂場)でのボールタッチ
  • 軽いドリブル
  • 片足バランス

これらを組み合わせることで、体重が増えてもスピードやタッチ精度が安定しやすくなります。

5. 日々の練習で意識したいこと

  • 体重変化は筋肉か脂肪かでスプリントへの影響が変わる
  • 脂肪が増えすぎない範囲で、栄養をしっかりとる
  • 筋力・パワーは自重を中心に鍛える
  • 足裏感覚や動作安定性のトレーニングを組み合わせる
  • 走りの軽さ・フォーム・タイム測定などと並行して確認する

日々の練習で小さな積み重ねを続けることで、体の感覚やスピードはまだまだ伸ばせます。

焦らず、自分の体や動きを観察しながら、できることを積み重ねていきましょう。