雨天でも、競技特性に応じたトレーニングは可能です。

重要なのは「環境に応じて安全に実施し、種目特性に合わせた筋力・持久力・体幹・柔軟性・可動域を維持・向上させること」です。

雨天は普段できない基礎動作やフォーム改善のチャンスでもあります。考えて工夫する姿勢自体が競技力向上に直結します。

共通のポイント

  • メニューはあくまで目安。環境に応じて順序・負荷を調整
  • 狭い廊下や教室では、体幹・下半身・柔軟性中心に実施
  • 体育館や広い室内が使用可能であれば、スプリント・ジャンプ・種目特化ドリルを追加
  • 安全確認は必須。周囲に人がいないか確認し、滑りやすい床では無理をしない

雨の日の制約を逆手に取り、「動作の精度」「フォーム」「筋力・柔軟性・体幹の質」を磨くことがポイントです。

短距離(100m~400m)

トレーニング目的

  • スタート反応、加速力、最大スピード発揮、爆発的パワー

推奨メニュー

  • スプリットスクワット・片足スクワット・ジャンプランジ:股関節伸展・膝伸展・お尻のパワーを強化
  • クラブリーチやケトルベルスイング:肩・背中・体幹の連動性を向上、スタートからストライドへの力伝達改善
  • プランク・サイドプランク・ひねり腹筋:体幹安定性を高め、スプリント中の軸ブレを抑制
  • 室内で可能なら短距離加速ドリル・反応スタート・その場でのハイニー・バットキックも追加

補足

  • 高速筋繊維の活性化を意識し、ストレッチは動的(ダイナミック)中心で温めながら実施
  • 狭い場所では筋力・体幹・動作の精度を重視

中距離(800m~1500m)

トレーニング目的

  • スピード持続力、フォーム効率、乳酸耐性(軽負荷可)

推奨メニュー

  • 片足スクワット・ランジウォーク・ジャンプランジ:踏み込みと蹴り返しの筋持久力強化
  • プランク・ブリッジ系・ひねり腹筋:体幹安定で疲労時もフォームを維持
  • 階段・ステップ運動:筋持久力と心肺刺激
  • 室内スペースがあればラダー・ミニドリルでフットワークと反応速度向上

補足

  • 疲労に強いフォーム保持が中距離の効率走行に直結
  • 過負荷は避け、呼吸とフォームの質を優先

長距離(3000m~5000m・マラソン)

トレーニング目的

  • 有酸素持久力、下肢耐久力、効率的な着地・蹴り出し

推奨メニュー

  • プランク・サイドプランク・背筋ブリッジ:体幹安定で長時間フォーム維持
  • ランジ・スプリットスクワット・カーフレイズ:太もも前後・ふくらはぎ・股関節を強化し、蹴り出し効率と着地衝撃吸収を向上
  • 可動域ストレッチ・片足バランス:着地安定性・疲労軽減
  • 体育館では一定距離シャトルラン・リズムジャンプ・軽負荷ジャンプランジで心肺刺激・筋持久力強化

補足

  • 有酸素能力は自宅では限界があるため、筋持久力・体幹・フォーム安定に注力
  • 長距離ほどフォーム維持の質がパフォーマンスに直結

環境に合わせた工夫

  • 狭い場所では下半身・体幹・柔軟性中心
  • 体育館や広い室内では、短距離加速・持久ドリル・ラダー・スプリント・ジャンプ系を追加
  • 種目特性に応じて順序や負荷を自分で工夫することで、判断力や身体感覚の向上も期待できる
  • 滑りやすい床ではジャンプ系を控え、片足バランスや低衝撃ドリルに置き換え

まとめ

  • 雨天メニューは目安。環境・種目・個人特性に合わせて調整
  • 狭くても下半身・体幹・柔軟性中心、広ければスプリント・ジャンプ・ドリルも追加
  • 安全を最優先に無理なく実施
  • 考えて工夫する姿勢が、フォーム改善・筋力向上・競技力維持に直結