ラグビーは、短時間のスプリントと低強度のジョグが入り混じる間欠的スポーツです。

試合中は瞬間的に全力で走る動作が何度も発生し、その間に回復時間が限られています。

そのため、単純な持久力だけでなく、スプリント→回復→再度スプリントを繰り返せる間欠的持久力が不可欠です。

間欠的持久力の特徴

  • スプリント・全力プレーの連続に耐える力
  • 回復スピードを高め、次のプレーに備える能力
  • 心肺機能と筋持久力を同時に鍛えることが可能

試合の80分間、スプリントやタックルを繰り返しても、動作の精度を落とさずにプレーするには、この能力の強化が重要です。

トレーニング設計のポイント

  1. 心肺持久力と筋持久力のバランス
    • 長時間走るスタミナだけでなく、瞬間的に高出力を出す能力も必要
    • スプリント間の回復時に心拍数を下げすぎず、持久力を維持
  2. 競技特性を意識したインターバル
    • スプリント距離や時間を試合動作に近づける
    • 回復時間も試合中の自然なリカバリーに合わせる
  3. 強度の段階的設定
    • 高強度スプリント:80〜90%の全力
    • 回復ジョグ:40〜50%の軽めの動き
    • 繰り返し回数を増やしながら、持久力と回復能力を同時に向上

実践的トレーニングプラン例(80分フルタイム対応)

ウォームアップ(15分)

  • 動的ストレッチ:レッグスイング、ヒップサークル、肩回旋
  • 軽いジョグ+ドリル(ラダー・サイドステップ・ハイニーラン)
    → 神経系と関節の準備

メイン(30〜40分)

インターバル持久力ドリル

  • スプリント30秒 → 回復ジョグ30秒 × 8本
  • スプリント20m全力 → 軽いジョグ20m × 10本
  • 変則スプリント(前後左右10m+全力ダッシュ20m) → 軽い回復ジョグ30秒 × 6本

ポイント:

  • スプリント強度は全力に近いがフォームを維持
  • 回復中も完全に止まらず軽く動くことで心拍数を一定範囲に保つ

補助トレーニング(20分)

  • サーキット系筋持久力
    • バーピー10回
    • プッシュアップ15回
    • スクワットジャンプ10回
    • プランク30秒
      → 休憩1分×3セット
  • 下半身と体幹を同時に持久的に鍛え、スプリント・タックル時のパフォーマンスを維持

クールダウン(10分)

  • 軽いジョグ+静的ストレッチ
  • 心拍数をゆっくり落として回復

トレーニングのポイント

  • ゲームペースに近いスプリントと回復時間を設定
  • スプリントフォームの維持を意識
  • 週2〜3回のメイン+週1〜2回のLSD(長距離ジョグ)でスタミナを補強
  • 試合前は高強度量を減らして疲労を抜く

まとめ

ラグビーの80分フルタイムで安定したプレーを維持するには、間欠的持久力の向上が不可欠です。

  • スプリント+短時間回復を繰り返すインターバルドリルで競技特性に対応
  • 筋持久力と心肺持久力を同時に鍛えるサーキットを併用
  • LSDなどで基礎持久力を補強

この組み合わせにより、試合後半でもスプリントやタックルの精度を落とさず、80分間フルタイムのパフォーマンスを維持できます。