「太ももやハムストリングスが張っている」「腰まわりが硬い」
ラグビーの練習や試合中、こうした感覚を持つことは多いと思います。
筋肉の硬さや張りは、単純に縮むことで生じるとは限りません。
筋肉は縮むだけでなく、伸ばされることで硬くなりストレスが蓄積されることもあります。
この理屈を理解すると、日々の練習やケアの考え方が変わり、パフォーマンスの安定やケガ予防に役立ちます。
筋肉の硬さには二つのタイプがある
筋肉の張りや硬さには大きく二つのタイプがあります。
一つ目は短く縮んで硬くなる筋肉です。
これは一般的に「張っている」と感じる状態で、繰り返しの動作や偏った姿勢によって起こります。
スクラムやタックル、ダッシュで使うハムストリングスやふくらはぎが代表例です。
二つ目は伸ばされて硬くなる筋肉です。
これは常に引っ張られた状態で硬さを感じ、腰や骨盤、大腿四頭筋や腹筋の影響で起こります。伸ばされることで筋力も発揮しにくくなることがあります。
同じ「張っている」感覚でも、短縮によるものか伸張によるものかで原因や対策は変わります。
ラグビーで伸ばされ硬くなる筋肉の例
ラグビーはスクラム、タックル、ブレイクダウン、ラン、キックなど、多方向の力が連続するスポーツです。
そのため、筋肉が縮むだけでなく、伸ばされて硬くなるケースも多く見られます。
例えば、ハムストリングスが伸ばされて硬くなる場合です。タックルやブレイクダウンで腰を反らしたり、ダッシュや方向転換で踏ん張る動作が続くと、筋肉が引っ張られ筋力発揮がしにくくなります。
また、大腿四頭筋や腹筋の影響で骨盤が前傾し、ハムストリングスが伸ばされることもあります。スクラムやランの際に踏ん張る力に影響し、疲れやすくなることもあります。こうした硬さは、単純にストレッチをしても解消できるわけではありません。体全体のバランスや姿勢の影響を理解することが重要です。
硬さの理屈を理解する意味
筋肉が縮むだけでなく伸びて硬くなることを理解すると、次のことが分かります。
- 感覚だけでは状態を判断できない
「張っている=縮んでいる」と思い込み、ストレッチだけで対応すると逆効果になることもあります。 - 筋肉の発揮力に影響する
伸ばされ硬くなった筋肉は力を出しにくくなるため、スクラム、タックル、スプリントやキックでの踏ん張りに影響します。 - 体全体のバランスが関係する
腰や骨盤、腹筋や大腿四頭筋の状態も硬さに影響するため、単に硬い筋肉だけを伸ばすだけでは不十分です。
練習やケアに活かす
学生ラグビーでは、日常的に筋肉の張りを感じる場面があります。
大切なのは、「縮むだけで硬くなるわけではない」「伸ばされて硬くなることもある」と理解することです。
単純なストレッチだけでは解消できない場合もあります。
体全体の姿勢や骨盤・腰のバランスを意識し、周囲の筋肉や関節の影響も考慮することで、疲労の蓄積を防ぎ、パフォーマンスの低下やケガのリスクを減らすことができます。
まとめ
筋肉の硬さは縮むだけで起こると思いがちですが、実際には伸ばされることで硬さや張りが生じることもあります。
ラグビー選手にとっては、スクラムやタックル、スプリント、キックの安定、パワーや踏ん張りの発揮、疲労やケガのリスク軽減につながります。
単に筋肉を伸ばすだけでなく、体全体のバランスや筋肉の関係性を意識することが大切です。
理屈を理解することで、日々の練習やケアの質が変わり、より効率的に成長できる体づくりが可能になります。

