テニスのダブルスは、1対1とは異なり、ペアとの連携が勝敗を左右します。

攻守の切り替えやポジショニング、ストロークのタイミングなど、コート上での情報を共有し、即座に行動に移す能力が重要です。

そのため、パートナーからの指示や状況を正確に受け取り、プレーに反映できる選手は、ダブルスで安定した勝率を高めます。

一方、指示の理解や反応が遅れる選手は、ポジションの乱れやミスコミュニケーションを引き起こし、チャンスを逃すことになります。

ここでは、ダブルスに特化して、受け取りやすい選手とそうでない選手の違い、改善方法を整理します。

1. 指示を受け取りやすい選手の特徴

ダブルスで受け取りやすい選手は、状況判断力・視野・即時反応力・パートナーとの意思疎通力に優れています。

  • 状況判断力
    相手の位置や打球方向を瞬時に判断し、前衛・後衛のどちらでカバーすべきかを判断できる
    例:パートナーが「前衛に出る」と指示した瞬間に後衛としてポジションを調整
  • 視野が広い
    ボール、パートナー、相手コート全体を同時に見て行動できる
  • 即時反応力
    指示を受けた瞬間に体の動きに変換し、ポジションや打球対応に反映できる
  • 確認・声かけができる
    迷ったときや状況が曖昧なときに、短い声かけでパートナーと意思を揃える

2. 指示が伝わりにくい選手の特徴

受け取りにくい選手は、以下の傾向があります。

  • 反応が遅い
    パートナーの動きやコートの状況を把握できず、ポジション取りが遅れる
  • 自己判断で動く
    指示より自分の判断で動き、前衛・後衛の連携が崩れる
  • 視野が狭い
    ボールや相手の動きを見落とし、パートナーと動きがずれる

3. 指示を受け取りやすくする練習法

  • ポジショニングドリル
    前衛・後衛の位置調整をパートナーの指示に従って行う
  • 攻守切り替え練習
    ボールの返球やネットプレーのタイミングで、声やジェスチャーに即反応する
  • ゲーム形式での意思疎通練習
    試合形式でパートナーと指示を交換しながら動くことで、自然に反応できるようにする
  • 映像での振り返り
    練習や試合の動画を見て、指示に沿ったポジションや動きができているか確認

4. コーチ・パートナー側の工夫

  • 簡潔で明確な指示
    前衛・後衛、ボールへのカバーなどの指示はシンプルに
  • 動作やジェスチャーをセットで示す
    言葉だけでなく、手のサインや視線で意図を可視化
  • 個別フォロー
    理解度に差がある選手には、反復練習や確認を徹底する

まとめ

ダブルスでは、パートナーとの連携が勝敗を大きく左右します。

受け取りやすい選手は、

  • 状況を瞬時に判断し
  • 視野を広く保ち
  • 指示を体で再現し
  • 必要に応じて声かけで意思を揃える

受け取りにくい選手は、自己判断や理解不足により、ポジションやタイミングのズレを生みやすくなります。

選手は指示を体に落とし込む反復練習を行い、パートナーやコーチは簡潔で視覚的にわかりやすい指示を心がけることで、ダブルスの精度を高めることができます。