短距離(100~400m)や中距離(800~1500m)の陸上競技では、高強度の練習が多く、脚や関節への負荷が集中します。
特に学生世代は骨や腱が成長途中のため、過度な練習は疲労骨折や腱炎のリスクを高めます。
疲労骨折・腱炎の仕組み
- 疲労骨折:同じ部位に小さな衝撃が繰り返され、骨が修復しきれず微細損傷が骨折に進行
- 腱炎:膝・足首・股関節などの腱に負荷が集中し、炎症や痛みが慢性化
どちらも「練習量が回復力を上回る」状態で起こりやすく、軽い痛みを無視すると長期離脱につながります。
短距離選手の特徴と注意点
- 高強度スプリント:スタート、加速、トップスピードの繰り返しで脚や股関節周囲に負荷集中
- リスク部位:ハムストリング、アキレス腱、膝、スパイクによる足部
- 管理方法:
- 練習量を段階的に増やす(週10%以内)
- フォームチェックで特定部位の負荷を分散
- 爆発系トレーニング後はジョグや体幹トレで回復
中距離選手の特徴と注意点
- 高強度インターバル+レースペース走の反復で、ふくらはぎ・足底・膝にストレスが蓄積
- リスク部位:腱炎や微細骨損傷の発生が多い
- 管理方法:
- 高強度インターバルは週2〜3回までに制限
- 疲労末期でもフォームを維持するため体幹トレーニングを並行
- 軽い痛みでも早期休養で悪化防止
共通の管理ポイント
- 練習量と休養のバランスを優先
- 疲労・痛みのサインを見逃さない
- 栄養・睡眠・ストレッチで骨や腱の修復をサポート
- フォームを崩さず、特定部位への偏った負荷を避ける
- 客観的データ(心拍、RPE、GPS)で負荷を管理
まとめ
短距離・中距離の学生陸上選手は、高強度練習の反復による脚や腱への負荷が最大のリスクです。
- 短距離:爆発的な脚力負荷によるハム・アキレス腱・膝へのリスク
- 中距離:高強度インターバル・レースペース走による腱炎や微細骨損傷のリスク
練習量を段階的に増やし、フォームをチェックし、休養と栄養をしっかり管理することが、ケガを防ぎながらパフォーマンスを向上させる最短ルートです。