5月中旬を過ぎ、これから本格的に気温と湿度が上がる時期に入ってきます。
最近は5月の段階でも真夏のような暑さになる日があり、学生スポーツにおいても熱中症対策は“夏だけの問題”ではなくなっています。

特に春から夏へ移行するこの時期は、まだ身体が暑さに慣れていない選手も多く、急な気温上昇によってパフォーマンス低下や体調不良が起こりやすい時期です。

暑熱順化とは?|まずは「暑さに慣れる」ことが重要

ここで大切になるのが「暑熱順化(しょねつじゅんか)」です。

暑熱順化とは、簡単に言えば“身体を暑さに慣らすこと”。
人間の身体は、適切に暑さへ順応していくことで汗をかきやすくなり、体温調整機能が向上し、熱中症リスクを下げることができます。

そのため、これからの時期は朝の比較的涼しい時間帯にしっかり身体を動かし、汗をかく習慣を作ることが非常に大切です。

特におすすめなのは、午前中の時間帯にある程度の運動強度で身体を動かし、「適度に汗をかく」経験を積むことです。

冷房環境ばかりで過ごし、急に炎天下で激しい運動を行うと、身体が熱を逃がせず大きな負担になります。

真昼の追い込みだけが正解ではない

もちろん、サッカー・野球・ラグビー・テニス・陸上などの屋外競技では、日差しが強い環境でプレーする能力も必要になります。

ただし、暑熱順化が不十分な状態で、いきなり真昼の炎天下で追い込みすぎることは危険です。

特に5〜6月は「気温は高いのに身体がまだ慣れていない」という状況になりやすく、熱が身体にこもりやすくなります。

まずは朝の時間帯を活用しながら身体を慣らし、徐々に暑い環境への適応力を高めていくことが重要です。

そして、競技特性や個人差を見ながら、段階的に暑い時間帯への対応力を高めていくことが理想です。

水分補給|“水だけ”では足りないこともある

暑さ対策で非常に大切なのが「水分補給」です。

学生アスリートの中には、「水だけを大量に飲む」ケースもありますが、発汗量が多いスポーツでは、水分だけでなく電解質(ナトリウムなど)の補給も必要になります。

そのため、運動中は アクエリアス や ポカリスエット のようなスポーツドリンクを活用することは非常に有効です。

スポーツドリンクは、運動時の発汗に合わせて、水分と電解質を補給しやすいよう設計されています。

「人工甘味料が気になる」という声もありますが、まず優先すべきは“熱中症から身体を守ること”です。

特に長時間の練習や高温環境下では、適切な電解質補給が重要になります。

OS-1は「予防用」ではなく「脱水対応用」

ここで注意したいのが OS-1 の使い方です。

OS-1は、一般的なスポーツドリンクではなく、「脱水症のための経口補水液」です。
大塚製薬 OS-1公式サイト でも、軽度〜中等度の脱水状態における水・電解質補給用として説明されています。

そのため、

・熱中症気味
・大量発汗でかなり脱水している
・頭痛やめまいがある
・食欲低下や吐き気がある

といった状況では非常に有効ですが、「予防として日常的に飲めばいい」というものではありません。

通常の運動時であれば、まずはスポーツドリンクや水分補給を中心に考え、必要に応じて塩分補給も組み合わせることが現実的です。

熱中症対策は「気合い」ではなく自己管理

熱中症対策で最も重要なのは、「無理をしすぎないこと」です。

・睡眠不足
・朝食抜き
・水分不足
・急激な追い込み
・我慢して無理をする

こうした状態は、熱中症リスクを大きく高めます。

特に成長期の学生は、身体が発達途中であり、体温調整機能も未成熟な部分があります。

「自分は大丈夫」と思わず、早めの水分補給・休憩・体調確認を徹底することが重要です。

夏を戦い抜くために必要なこと

これからの時期は、競技力向上だけでなく、“安全に継続して練習できる身体づくり”が非常に大切になります。

暑さに慣れる。
汗をかける身体を作る。
適切に補給する。
そして無理をしすぎない。

この積み重ねが、夏場でも安定して動ける選手につながっていきます。

暑くなる前の「今」の準備が、夏のパフォーマンスを大きく左右します。