ラグビーでは、タックルやラックの際に膝・肩・腰に大きな衝撃がかかります。
特に学生ラグビーでは、まだ身体の発達途中であり、衝撃に対応できる筋力や安定性を身につけることがケガ予防につながります。
筋力だけで衝撃を完全に無くすことはできませんが、筋肉で衝撃を吸収し、関節にかかる負担を分散することは可能です。
ここでは、部位ごとのポイントと具体的な筋力強化方法を紹介します。
1. 膝を守る筋力
膝はタックルやラックで最も負担がかかりやすい関節です。
筋力で膝を守るポイントは、大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋・臀部の安定性です。
- 大腿四頭筋:膝を伸ばす力を強化し、タックル時の衝撃で膝が前方に突っ張るのを抑える
- ハムストリングス:膝の後ろ側の安定性を高め、前後の衝撃を吸収
- 内転筋:膝が内側に入るのを防ぎ、タックルでのねじれ負荷を軽減
- 臀部(大臀筋・中臀筋):骨盤と膝の安定性を確保し、体重移動に耐える
おすすめトレーニング
- スクワット(バーベル・ダンベル・自重)
- ブルガリアンスクワット
- レッグカール・レッグエクステンション(補助的に)
- ヒップアブダクション・ヒップスラスト
2. 肩を守る筋力
肩はタックル時に前方からの衝撃が直接かかるため、肩甲骨まわりの安定と肩関節周囲の筋力が重要です。
- 僧帽筋・前鋸筋・広背筋:肩甲骨を安定させ、衝撃を肩関節に集中させない
- 三角筋・回旋筋腱板(ローテーターカフ):肩関節の動きをコントロールし、衝撃で肩が外れないように補強
おすすめトレーニング
- プッシュアップ(腕立て伏せ)
- ダンベルショルダープレス
- ラットプルダウン
- 外旋・内旋のチューブトレーニング
3. 腰を守る筋力
腰はラックやタックルで体幹を支える中心部です。
衝撃を受け流すためには、体幹の安定性とお腹・背中の筋力が必要です。
- 腹直筋・腹斜筋:前後・左右の衝撃を分散
- 脊柱起立筋・多裂筋:腰を反らす・安定させる
- 臀部・ハムストリングス:骨盤を支え、腰への負担を軽減
おすすめトレーニング
- プランク(フロント・サイド)
- デッドリフト(軽重量から正しいフォームで)
- バックエクステンション
- ケトルベルスイング
4. 衝撃を分散するためのポイント
- 筋力だけでなくフォームも重要
タックルやラックでは、体の角度や重心を意識することで衝撃を分散できる - 全身の連動
膝・肩・腰を個別に鍛えるだけでなく、スクワットやデッドリフトなど全身運動で筋肉を連動させる - 柔軟性との組み合わせ
関節可動域を保つことで、衝撃を筋肉で吸収しやすくなる
まとめ
タックルやラックで膝・肩・腰にかかる衝撃を筋力で補うためには、
- 膝:大腿四頭筋・ハムストリングス・内転筋・臀部の安定
- 肩:肩甲骨まわりと回旋筋腱板の強化
- 腰:体幹・脊柱・臀部の連動強化
を意識したトレーニングが効果的です。
フォームと筋力を組み合わせることで、関節にかかる衝撃を分散し、安全にラグビーをプレーできる体づくりが可能です。